
「ちゃ〜ん、迎えに来たよ〜。京楽のおじちゃまですよ〜v」
浮竹邸の玄関で恥ずかしげもなく顔に似合わない甘ったるい声を出し
ふやけた顔をさらに崩して京楽は親友の愛妹を呼んだ
屋敷の奥から軽やかな足音が聞こえてきて、ひょこっと顔を出したのは
浮竹 京楽の親友、浮竹 十四朗が愛してやまない末の妹だ
「おはようございますっ、京楽のおじちゃま!」
「おはよう〜」
肩の下で切りそろえられた黒い髪を揺らしながら
大きな瞳をくりくりとさせてニッコリと笑う姿はまさに『天使』
浮竹だけでなく護廷の死神たちをその笑顔で骨抜きにしている
「おじちゃまっ、ちゃんとお兄ちゃまにはナイショに来たの?」
「うん。ちゃんとナイショだよ〜」
そう、今日は浮竹の誕生日
大好きな兄の誕生日を祝おうと内緒で護廷に行くのだ
先日遊びに行ったときに京楽に話して迎えに来てもらった
それどころか、「なんならいっその事盛大にお祝いしよう!」と言い出した
厳格な総隊長山本ものおねだりに敵うはずはなく快諾している
ということで・・・『浮竹 誕生日おめでとう!ビックリドッキリ大作戦☆』(京楽命名)が決行される
その事を知らないのは護廷十三隊十三番隊隊長浮竹 十四朗だけである
京楽はうふふふ、と嬉しそうに笑うに普段より2割り増しに鼻の下を伸ばしながら
を抱き上げ護廷へと向かう
「・・・そういえば、ちゃんは浮竹に何のプレゼントをするのかなぁ〜?」
「あのね〜、乱菊お姉ちゃまと桃お姉ちゃまと一緒にケーキを作るのっ
それからねぇ〜もう一個はナイショ!」
「そっかぁ〜、ケーキとあとはなんだろうなぁ〜」
どこから見ても親子の会話を繰り広げながら護廷に着くと
待っていましたとばかりに乱菊と雛森にが拉致・・・連れられていった
「なぁ海燕、・・・今日は何かあるのか?」
「へ?き、急にどうしたんです隊長」
「うーん・・・ウチの隊の3席が挙動不審なんだよなぁ・・・」
「あぁ・・・それはいつもの事じゃないっすか・・・」
「いや・・・いつも以上だ・・・」
「何気に酷いっすね・・・まぁ・・・隊長が気にすることじゃないっすよ・・・」
「そうかなぁ〜」
雨乾堂でぼうっと外を見ながら浮竹は海燕を相手に暇を潰していた
何より自分の誕生日が今日である事に気付いていない浮竹に海燕は苦笑を漏らす
海燕の任務?はパーティー会場の用意ができるまで浮竹を雨乾堂に留めて置くことだ
に会えないのは寂しいことだがじゃんけんで決まったので仕方が無い
ため息をつきながら偽書類を浮竹に渡しつつ仕事をするフリを繰り返している
会場では京楽が指揮をとりつつ、やちるの希望通りに飾りつけが進められていく
(会場は護廷で一番広いとされる隊首会議室を使用)
「あー!!だめだよ〜つるりんっそこはこれじゃなきゃ!」
「そのあだ名で呼ぶなっつたろーがぁっこのドチビっ」
「じゃぁ・・・ぱちんこだまっ」
「ほぉ〜うぅ」
チャキ・・・
「もう、いい加減にしなよ一角、飾り付けが美しくなくなるじゃないか・・・」
・・・・・・一方厨房では・・・・・・
「今から火を使うから、ちゃんは危ないからこっちで待っていようね〜」
「うん!桃お姉ちゃまっ」
「あら?ちゃん、指・・・怪我してるの?」
「あぅ・・・大丈夫だよっ、ちょっと針が刺さっただけだもん」
「「針?」」
「あのね、あのね・・・お兄ちゃまへ贈り物を作っていたのっ」
もじもじしながらそう話すに女性陣は胸を鷲掴かまれ
しばらく料理どころではなかったという・・・
