朝起きてみれば刺すような寒さにぶるりと身を震わせて
隣を見れば、無邪気な寝顔が視界に入る
・・・が女子であったと知ったのはつい先日
昨日は昨日で沖田に発破を掛けられる始末だ
俺はどうしたいのだろう・・・
幸せになってはいけない、なれるはずがない
そう考えてしまう・・・・・・だけど、もう一度愛したい・・・
他の誰でもない、今布団を並べて隣で眠っているを・・・
思考の渦に飲まれそうになった時、黒曜の双眸が俺を見つめる
「起きたのか?」
「う・・ん・・・おはよ、緋村」
「あぁ・・・おはよう」
は眼を擦りながら起きあがろうとして外の寒さに身を震わせた
あぁ・・・火を熾しておいてやれば良かったかな
そう思いながら俺も身を起こし、とりあえず火鉢を引き寄せる
布団を畳むのは後にしよう
「雪・・・」
「ん?」
「雪、積もったのかなぁ・・・?」
「そうだな、これだけ冷えるんだ積もっているかもしれんな」
「雪が積もってる間は皆さんおとなしくしててくれるかなぁ・・・」
「だと、いいな」
そう話していたその日の夜、またもや新撰組が騒動を起こしてくれた
振り下ろされる刃をかわし、背を預けあうと何故か安心する
今ここにがいる、すぐ自分の傍に
俺の背にの温もりがあり、の背には俺の温もりがある
そう思うと自然に口の端が吊り上る
視線を交わし踏み込む、その瞬間さえ同時で
俺がの死角を補いが俺の死角を補う
降り積もった雪の白の中に舞う黒と朱
そして足元の白は紅に染まっていた
部屋に戻り、冷え切った体を温めてこいとを風呂に投げ込んだ
俺は刀の手入れをしていた手を止めた
今朝の思考が戻ってきたからだ
「どうしたの?緋村」
いつの間にやらは戻ってきていたようで
俺の顔を覗き込むように見ていた
「いや、なんでもない」
「・・・そう?」
「あぁ」
刀を鞘に収めそのまま風呂へ向かう
思い浮かぶのはの事
こんなことは初めてだ
巴の事を引き合いに出すのはなんだが
あの頃はこんな事はなかった
時間が、環境があまりにも緩やかだったからか・・・?
それとも今このような状態に陥っているのは相手がだからか?
このままここで考えていてものぼせるだけだと風呂からあがり
部屋に戻れば、火鉢を抱き込みうつらうつらとしているがいた
・・・・・・仕方のない奴だ
俺は苦笑してを抱えて布団に寝かせる
その時に鼻を掠める甘い香りが俺の理性を緩めそうになる
が、なんとか堪えての顔を見ると
無邪気な寝顔だった
なんとなく離れ難くなって今夜はこのまま
を腕に眠ろうと思った
それは『人斬り』の俺が
息を呑むような
甘くて安らげる一時だった・・・
Back
お題配布元:capriccio様