気の向くまま、足の向くまま流れて
ここは何処なんだろう・・・
がいなくなって、もうどれくらい経ったのか
俺は足を休めるために土手を下り、橋の下へ向かう
腰を降ろして支柱に凭れ、ぼうっとしていると
羽音が聞こえてくる
ふとそちらを見てみると、一羽の大きな鳥・・・
俺は何故か気になって近付いてみることにした
「鷹・・・?水を飲みに降りてきたのか・・・珍しいな・・・」
鷹は俺が近付いても、警戒することも逃げる事もなく俺を見上げている
人慣れしているのか?そう思っていると
何やら自分の足を嘴でつついたりしている、その足には一通の文
「・・・?何か知らせを運んでいる途中なのか?
伝書鳩はよく聞くが・・・鷹を遣っているとは本当に珍しい・・・」
俺がそう言うと鷹は鳴き声をあげ、さらにその文をつつこうとしている
「取りたいのか?どれ・・・貸してみろ」
跪き手を出すと、鷹は素直に足を差し出してくる
俺はそれを解いてやると、その文の端を鷹は銜えて広げて見せた
「!!!!・・・この筆跡は・・・それにこの歌・・・・・・」」
数年前のとのやりとりが俺の脳裏を掠める
「・・・その歌はどういう意味だ?」
「んとね・・・『鏡を見れば、必ず貴方の姿が映るように、
私の心もいつでも貴方と一緒にいるのですよ』・・・だったかな・・・?
父上の懐に入っていたんだ・・・お守りみたいにさ・・・盗み見した時は怒られたなぁ・・・」
「まさか・・・・・・?・・・はこの時代にいるのか!?」
俺の問いに答えるように鷹は声高く一鳴きする
がこの時代にいるという喜びが襲ってきて
その場に力が抜けたように座りこんでしまい
その文を食い入るように見つめてあの頃のを思い出す
「・・・・・・っ」
涙を堪えて何度も の名を呟いていると
頬にふわりとした感触と温もりを感じた
文を運んで来てくれた鷹が俺を慰めるように擦り寄ってくる
「ありがとう・・・」
その綺麗な翼を一撫でして、抱き上げると驚いたように翼をばたつかせる
俺は落ち着かせるようにもう一度翼を撫でて鷹に話しかけた
「疲れただろう?何処に居るのかも判らない俺を探して・・・
の元に戻りたいかもしれないが、今日は休んでいけよ
本当はの居場所を知りたいけど・・・それは俺が探すよ
君が俺を探してくれたように・・・今は文には書けない場所にいるんだろ?」
そう言うと鷹はおとなしく俺に抱かれて
先ほどまで俺が休んでいた橋の下で共に一夜を過ごした
翌日、朝早くに鷹は飛び立っていった
俺はその方角へ足を進める
きっとはその方角にいるから・・・
懐にはが残していった印籠と詩の書かれた一通の文
必ずを探し出して、二度と離しはしないという気持ちが俺を動かす・・・
覚悟していろ、・・・
・・・離せといわれても二度と離してはやらないからな
会いたい衝動
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お題配布元:capriccio様