【傷薬】羅刹の華 番外編
刃衛との闘いが終わって数日
剣心は左之助と一緒に買い物に来ていた
刃衛に斬られた傷がやっと治ってきたところで
もおなじく刃衛に斬られた傷は治ってきていたが
自分で傷つけた腕の傷は深く治りが悪かった
暫くは養生しろと幾松がを外出禁止にしている
はずだった・・・
「おい、あそこで団子食ってるのはじゃねえか?」
「は?・・・・・・そのようでござるな・・・(抜け出してきたな)」
剣心は左之助ににっこりとそれは爽やかに笑うとに向かって歩き出す
「お、おお・・・・・・(目が笑ってねーって)」
剣心がに近づいたその時だった
人影で見えていなかったのか、の隣には一人の青年が腰掛けていた
しかも親しそうに話をしている
そう、まるで幕末の頃の土方とのようにも見える
「・・・・・・」
鼓動の音が耳につき、その場から動けなくなる
その男は誰だ?その言葉しか浮かんでこない
土方も沖田も剣心は知っていたが、今の隣にいる男は全く知らない
の知らない剣心の十年間があるように
剣心にも自分の知らないの七年間がある
不安と恐怖が剣心を襲う
の言葉を信じない訳ではない、それでもどうしても不安になる
冷水をかけられたように胸が心臓が冷たくなる
立ち尽くしている剣心を訝しげな顔で左之助は見る
その視線を辿っていけば、あぁ、と納得がいった
「剣心よぉ、ちっとばかしに対して過保護すぎやしねえか?」
「そうでござろうか・・・」
「そうだよ、にだってダチの一人や二人はいるだろうさ」
「友達・・・で、ござるか・・・」
一方、茶屋では剣心のそんな心境など知る由もないは
団子を頬張り、お茶を飲んでいた
「殿・・・もう腕の傷は治ったのですか?」
「ん〜もう少しかかりそうかなぁ・・・だから、左近に傷薬を持ってきてもらったんじゃないか」
「はぁ・・・それもそうですね、長老からの伝言です・・・『あまり無理はするな』と・・・」
「は〜い」
「解ってます?」
「解ってるよ、でもさーこれが性分なんだよね・・・」
「はぁ・・・・・・とりあえず、傷薬です。」
左近が懐から小さな入れ物を出すと、は礼を言って受け取る
そして最後の団子を頬張りお茶を飲んでいると
ガラの悪い連中がニヤニヤと笑いながら近づいてくる
「・・・?」
「兄ちゃん、イイモノ持ってるじゃねえか・・・」
「はぁ?」
「そこにある日本刀だよ、廃刀令は無視か?」
四、五人の男がを囲む
それを見て剣心が動こうとした時、隣にいた左近がを庇うように立ち上がる
そこからの左近の動きは速かった
あっという間に拳を打ち込みを囲んでいた男達を動けなくしてしまう
剣心はただ見ているしかなかった
動けなくなっている男達に一瞥をくれて、を連れてその場を離れていく左近を
握り締めた拳に血がにじむ
「はぁ〜、の連れも強えなー。・・・・・・どうしたんでぇ、剣心」
「・・・なんでもないでござるよ」
「そうかい?」
「ああ・・・」
剣心の胸の内にどす黒い塊が圧し掛かる
が悪いわけではない、自分の不甲斐なさに腹が立つ
そして当たり前のようにを守った名も知らない男に嫉妬してしまう
の隣は、を守るのは自分だと・・・
その夜、剣心は薫に「今日は帰らぬかも知れない」と言って幾松の家へ向かった
昼間のあの光景が頭から離れないでいる
持て余す独占欲と嫉妬心・・・
「あれ?剣心、今日はどうしたの?」
「いや・・・、今日の昼間・・・何をしていた?」
「え゛っ・・・・・・・・・な、何も・・・してませんが?」
「はぁ・・・姐さんから外出禁止と言われていたんじゃなかったのか?」
「いや、あの・・・えぇっ」
焦るの肩を掴み視線を合わせを見据える
「・・・・・・今日は特別に出してもらったんだ、傷薬をもらいに行く為に」
「傷薬?」
「そう、柳生の里から持ってきてもらったの。腕の治りが遅いから姐さんが心配してるし
よく効くんだぁ・・・・・・って剣心?どうしてそんなに疲れた顔してんの?」
「いや・・・何でもない」
「・・・?ひょっとして・・・・・・見られてた?」
「・・・・・・あぁ・・・」
ふーん、と頷き剣心が何故いきなりやって来たのかはピンとくる
「剣心・・・ヤキモチ、妬いてくれた?」
「なっ・・・ち、違うっ」
真っ赤になって否定をする剣心だが、は構わず話しを進める
「この薬を届けてくれたのはね、左近っていって『裏柳生』の一人なんだ
桂先生の護衛もやってくれて・・・んっぅ」
の話しを遮るようにその唇を塞ぎ、舌を割り入れ深く口付ける
頭に手を回して固定し舌を絡め取り吸い出す
は身体の力が抜け剣心にその身を委ねると
ゆっくりと剣心は唇を離す
「お前の口から俺以外の男の事なんか聞きたくない・・・」
そう耳元で呟かれ、の顔が朱に染まる
「剣心と姐さん以外、私の事を女だと知らなくても?」
「それでも、だ・・・」
熱に潤んだの瞳は剣心の理性を崩して
剣心は再び噛み付くようにに口付けた
その翌日の早朝、昨日の持て余していた感情などなかったかのように
すっきりとした気分で爽やかな笑顔の剣心がいたそうな・・・
終
25000HIT キリリク silver様 ありがとうございました!
剣心嫉妬の甘夢で・・・とのことでしたが・・・
い、いかがでしょうか・・・(汗
書き直しもOKでぃす(焦
丁度裏柳生のどなた(オリキャラ)かを出そうかと考えていたところの
キリリクでしたので、少し剣心さんに嫉妬してもらいました(笑