【黒髪】 羅刹の華番外編




と剣心が東京で再会したばかりの頃
神谷道場の庭で剣心はせっせと洗濯をしていた

その姿を見たは面白げにこう言った



「ねー緋村ぁ、桂先生や高杉さんが
 今のその姿を見たらさぁ・・・・・・きっと草葉の陰で・・・
 指差して大笑いしてるよ・・・」

「・・・・・・・・・」



がっくりと肩を落としながら最後の一枚を丁寧に絞っていく
傍にが居ることに緩む頬を引き締めながらその姿を見る
十年振りに再会した恋人は当時と寸分も変わってはいなかった


(いや・・・少し・・・大分髪が伸びているか・・・・・・)


そう考えながら幕末の頃を思い出す













「むぅ〜」

「・・・何をしている・・・?」

「ん?あぁ・・・見てわからない?髪を切ろうと思ってさ・・・」



普段は高く結っている髪を下ろし鏡の前で悪戦苦闘している
この頃はまだの事は男として見ていた


「いつもは父上が切ってくれてたから・・・久しぶりに自分ですると
 綺麗に切れなくて・・・」

「はぁ・・・貸してみろ」



剣心はの後ろに陣取り握られていた小柄を取り上げる
さらさらと絹糸のような黒髪が指の隙間から零れ落ち
剣心は勿体無いなと密かに思った


それからはの髪を切るのは剣心の役目となった
その光景を目撃した桂にからかわれたり、高杉にからかわれたりとしたが
の髪を触れるのは自分だけだと嬉しくも思った

血生臭い日々を送っていたあの頃・・・
休日だけが穏やかであったあの頃・・・


あの頃と変わらない笑顔で心では自分を包んでくれる
では自分は・・・?も自分と同じように思ってくれているのか・・・?






「・・・むら・・・・・・緋村ーっ」

「は・・・あ、なんでござるか?」

「何洗濯物握り締めてぼーっとしてるのさ」



洗濯を干しながら昔に思いを馳せすぎていたようで
剣心は何事もなかったかのようにに微笑む


「なんでもないでござる」

「そう?・・・で、それを干し終わったら頼みたいことがあるんだ」

「頼みたいこと?」

「そ」



はにかみながら黒髪を弄る仕草に「あぁ・・・」と頷いた
そう、は髪を切って欲しいときにする仕草だった

手早く洗濯を干し終え、あの頃のように縁側で髪を切る
髪を下ろすとかなり長くなっている事に気づく



「随分と伸ばしたな・・・」

「ん?だってさ自分で切ると不恰好になるし・・・
 だからと言って誰かに頼むのもなんか嫌でさ・・・
 前髪はなんとか自分で切ってたけど、やっぱり緋村じゃないと・・・」

「そうか・・・」



さくり、さくり・・・と一房ずつ丁寧に切り落としていく
にとって丁度良い長さに、結っても下ろしても良く似合うように
この艶やかな絹糸のような黒髪に触れるのが自分だけであるのが嬉しくて
離れてしまった後も自分以外が触れていないのが嬉しくて
手に取った一房に唇を寄せる





これから先も自分だけが触れていたいと願いを込めて・・・



「ねぇ緋村・・・」

「なんだ?」

「・・・これから先もずっと髪を切ってくれる?」

「あぁ・・・お前にやらせると目も当てられないからな」

「ひどいな・・・緋村がずっといてくれるなら安心だ」

「そうか・・・そう、だな・・・・・・」
















35000HIT キリリク 一枝様 ありがとうございました!!
幕末休日 ほの甘夢とのことでしたが・・・がっっ
明治休日になってしまいました・・・(滝汗

ほんの少し幕末休日がはいってますが・・・い、いかがでしょうか・・・(焦
ヒロインさんの髪を切る剣心を書いてみたくてどうしようかなぁと
考えていた時のキリリクでしたもので・・・(言い訳
書き直しOKですのでいくらでも言ってくださいませ!!

遅くなり大変申し訳ありませんでしたっ これからもヨロシクです!