

志々雄との闘いも終わり
ゆっくりと京の街を歩けば、嫌でも思い出す
己が手で殺めてしまった嘗ての妻と
その後、その傷を癒してくれた女剣士を・・・
敵対していた筈だった・・・、それなのに・・・
それだから惹かれ合ったのか
鳥羽伏見の戦いを最後に自分は戦場から離れた
しかし、彼女は離れなかった・・・
新撰組の紅一点、一番隊組長沖田 総司の補佐をしていた
・・・
刀を置き、流れに身を任せる流浪人になると
京を旅立つ時に見送ってくれた・・・その時の表情が忘れられない
今はどうしているだろう・・・生きているのかどうかさえも判らない
彼女のことだ、土方と共に果てたのかもしれない・・・
チリン・・・ ・・・
鈴の音が・・・
この地に置き去りにしていた記憶を蘇らせる
祭りの夜に、桜の花を模った飾り鈴をに贈った
根付代わりにと、巾着に付けて腰に下げていた
歩くたびに澄んだ音がの存在をその音色で示してくれた
風に靡く黒髪、微かに香るのは桜の香
出会った時に剣を交えてからは二度と交える事はなかった
お互い惚れた相手に刃を向けたくはなかったからだ
夜の闇にその象牙色の肌が映えて・・・ ・・・
「剣心?剣心ってば」
「おろ?」
「なにぼーっとしてんのよ。さ、東京に帰りましょ」
「あ、あぁ・・・そうでござるな・・・」
薫や弥彦、左之助、恵と共に思い出深い京都を後にした
「・・・良かったのか?顔を見せないで・・・」
「はい、今・・・私が現れても戸惑うだけでしょうし・・・・・・
私は緋村の顔が見れただけでいいんです・・・
あの頃とは全然違う・・・穏やかな・・・緋村が幸せならそれでいいんです」
「チッ・・・阿呆が・・・あいつ等・・・・はどうするんだ・・・」
「どうするも、今までと同じですよ。何も変わりません」
「教える気もないようだな」
「もちろんです」
物陰から五人を見送る三人の影
一人は紫煙を燻らせ、一人は刀を数本背負っている
最後の一人は女性であった
「まさか抜刀斎にあんさんみたいなお人がおったとはなぁ・・・
それに、いいんですかい?斎藤の旦那、ああ見えても連中・・・
あんさんのコト、結構気にしてると思いまっせ」
「フン、抜刀斎とは志々雄一派の殲滅のために一時的に共闘しただけのコト
任務が完了すればそれまでだ」
「そんなもんスか」
「だけどお互いに闘いの中に身を置く宿命・・・機会があれば
何処かの修羅場で鉢合わせることもあるって思ってるんでしょう?」
「その時は敵同士で相対すれば言うコトはない・・・
さすれば今度こそ遠慮なく幕末からの勝負に決着がつけられる」
「・・・・・・あんさんが生き延びた事は、抜刀斎にとってはとんでもない不幸やな
そして、はん・・・あんたが生きてる事はヤツにとって幸福な事なのかもしれんよ?」
「・・・・・・・・・」
「さて、行くぞ。次の任務は既に始まっている・・・」
斎藤は銜えていた煙草を指で弾き落し踵を返す、はそれに従い
もう一人の男、張はやれやれと肩を竦め二人を追った
東京 ・・・神谷道場・・・
「おかえりなさい、剣心・・・」
「・・・っ」
「いってらっしゃい・・・次に会う事があればその時は
『おかえりなさい』と言ってあげる・・・身体に気を付けて・・・
その心の片隅でもいい・・・私の事を覚えていてね・・・」
・・・ ・・・
「どうしたの?剣心?」
「いや・・・なんでもないでござるよ、ただいまでござる・・・」
・・・今君は何処にいる?この同じ空の下、俺以外の人間と共にいるのか?
それとも・・・もう、この世界にはいないのか?
・・・どうして今、こうも君に逢いたいと思うのだろう・・・

剣心2本目の連載!っておい・・・1本目も終わってないのに(汗
壱萬打御礼企画ってヤツです(笑
次回は弐萬打Hitまで少々お待ちくださいませ
・・・っていうか、ヒロインさんワンカットだけですね・・・すいません・・・
