Stay With You -Remus-side-




Prologue





朱く焼けた空に包まれ
辺りは瓦礫の山・山・山     ・・・

その場所にはビルが建ち、人々が行き交っていたなどとは思えない
剥き出しのコンクリート、硝子の破片があちらこちらで朱い太陽を反射している

鼻を掠める焦げた厭な臭い、人間だけでなく動物・植物・・・全てが焼けてしまっている
そんな光景をただ一人哀しげな瞳で見渡している人影があった・・・



「なんて不毛な・・・非生産的な凄惨な光景だろう・・・
 移りゆく過去と未来・・・2千年の時を経ても変わらなかった・・・
 種として滅びるまで人間はこんなことを続けてきた・・・
 私は苦しみと悲しみそして、孤独を負って充分彼らに付き合ってきた・・・
 そう思わない?青竜・・コアン・・・」

『確かに・・・な、この地上で生きている者は・・・お前だけだ・・・
 人間とは儚くも愚かな種であった・・・まだ・・恨んでいるのか?』



藍色の長髪を揺らしの隣に現れた『青竜・敖広』は答えた
は辺りの光景を今だ見つめながら頭を横に振った
漆黒の髪がふわりと宙に舞う


「いいえ・・・もう恨む相手も・・一族も失ってしまった・・・
まぁ・・・確かにこの体質は恨んでしまうけど・・・でも、そうでしょ?
私一人が残ってしまった・・・私は死ぬ事すらできない・・・・・・
私の時間は永遠に止まったまま・・・」

・・・・・・しかし・・・酷い有様だな・・・この世界は』

「・・・そうね・・・私はこれからどうしようかしらね・・・
 もうすぐこの世界は終わりの時を迎える・・・終焉の時を・・・」

『ならば・・・私の元にくるか?』

「嫌よ、天界に行ってまた奇異の目で見られるのは・・・この世界で充分に味わったわ」


自嘲的な笑いをしながらは青竜を見上げた
しかし消えゆく世界に留まることは出来ない・・・
付き合いの長い青竜にはの考えていることは手に取るように解かった



『まさか、・・・』

「そのまさか・・・よ、私は陰陽師で召喚師・・・貴方達神将を召喚できる・・・
 それなら別の世界に私が自分を召喚することが出来る・・・かもしれない」

『お前ね・・・かもしれない、じゃなくて・・・出来ないことはない・・・が・・・』

「やり方を知っているの?」

『まぁ・・・な・・・・・・だが・・・誰も試した事のない事だ・・・』

「なら私が試すしかないわね」

『お前も簡単に言うなぁ・・・俺一人じゃぁ心もとないから・・・
 そうだな・・・朱雀あたりも呼んでおいた方がいいかもしれないな』

「了解」



が口の中で呪を唱えると、燃えるような紅の髪を結わえた青年が現れた


『よう、。・・・と広・・・酷ぇ臭いだ・・・何があったかは粗方解かるが・・・
 俺まで呼んで何をする気だ?』

「別の世界に私自身を召喚するの」

『あ・・・そ、・・・・・・って・・・なんだとぉっ!?』

『煩いレンの力と我々の力を同調させればできんことはないだろう』

『そりゃそうだけどさ・・・別世界って・・・天界に来りゃいいのに・・・』

「・・・広にも言ったけど・・・また奇異の目で見られるのは嫌よ」

『・・・解かったよ・・・は言い出したら聞かねぇもんなぁ・・・』

「じゃあ、さっさと始めましょ」





三人が呪を唱え終わると八方陣が現れ、辺りを光が包みこむ
は終焉を迎えた自分の世界に別れを告げた・・・・・・