Stay With You -Remus-side-




The first class






賑やかな夕食の席から開放され、談話室でリーマスに挨拶をし
はそのまま一人で部屋に戻りベッドに身を沈めた



「はぁ・・・ちょっと浮かれすぎてたのかなぁ・・・
 家族、友達なんて・・・この世界の人達、魔法使いに限っては
 長寿みたいだけど・・・・・・私とは違うもんねぇ、耐えられるか・・・?」

『解っていたんじゃないのか?』

「っ!・・・イン?」

『よっ!』

「・・・『よっ!』じゃないわよ!呼んでもないのに現れないで!」

『まぁまぁ・・・敖大哥アオターコから聞いてきたんだ』

「広から?」

『そっ』



の前には見事な銀髪の青年が立っていた
金色の瞳を細めを見つめている



「・・・そっか」

『なんだ、後悔してんのか?』

「ん・・・少し、ね・・・・・・」



が上半身を起こすと銀と呼ばれた青年はの隣に腰を降ろした
サワリと涼やかな風がを取り巻き
それを感じたは気持ち良さそうに瞳を伏せる



『お前の悪い癖だな、失う前に失う事を恐れるのは』

「・・・・・・・・・」

『失う事を恐れるなら何故そのまま天界に来なかった?』

「それは・・・っ」

『奇異の目で見られたくない、んだろ?』

「そうよ・・・」

『この世界・・・いやどの世界に行ってもそれは変わらなかったんじゃないのか?』

「う・・・っ、で、でもっ前の世界みたく住む場所を変えていけば・・・
 それに、この世界の事をまず知らなきゃ・・・って思って」

『その考えも解らんでもないが・・・もう少し前向きに考えてもいいんじゃないか?』

「うん・・・・・・」

『俺はいい事だと思うがな、お前に家族が出来るのも
 友が出来るのも・・・俺達だけじゃなく信頼を置ける人間が
 一人や二人いてもいいと思うぞ』



そう言うとベッドに腰掛けていた青年は真っ白な虎に姿を変え
の頬を一舐めして姿を消した




「信頼を置ける人間・・・か・・・・・・」



ぽつりと零して再びベッドに身を沈めはそのまま眠りについた




























朝、目が覚めてぼうっとする頭を働かせは姿を変え準備を始めた

鏡の前で一通りチェックを済ませるとため息を一つ



「・・・やっぱり朝食は大広間よね・・・・・・」


大勢で食事をする事がなかったはうんざりしつつ量の階段を降りた
談話室に足を踏み入れれば既に起きていた生徒が挨拶を交わしている

その中で一人そわそわとしながら女子寮につながる扉を見つめていた
リーマスがに歩み寄り爽やかな笑顔を見せた



「おはよう、

「おはよう・・・リーマス」



は昨夜の事を考えながらも返事を返したが
リーマスは心配そうに結香を覗き込む



「・・・どうしたの?」

「ん?あぁ・・・低血圧でね、朝は苦手なのよ・・・」


苦笑しながら答えるとリーマスは安心したように顔を綻ばせた



「よかった・・・具合が悪いのかと思った」

「ん・・・心配してくれてありがと」



ふ・・・とが微笑むとリーマスも微笑む
ほのぼのとした空気が流れ出した時リーマスを呼ぶ声が聞こえてくる


「おい、リーマス!置いて行くぞっ!」

「え?あ・・・っ、も一緒に行かない?
 同じ部屋の子達なんだ・・・っ」

「・・・ごめんなさい、リーマス・・・もう少しゆっくりしてから行くわ」

「そう・・・?」



残念そうな顔をするリーマスにも眉尻を下げる
もう一度が誤るとリーマスは「気にしないで」と言い
自分を待っている4人の少年達の元へ走っていった




「あれ?彼女を誘わなかったのかい?」

「あー・・・うん、もう少しゆっくりしてから行くって低血圧らしいんだ」



くしゃくしゃの黒髪を書き上げてリーマスと同室となったジェームズはに視線を向ける
窓際の椅子に腰掛けてぼうっと外を見ている
ジェームズにつられるようにシリウス、を見た

窓枠に肘を置き物憂げ(実は眠いだけ)に外を見ている姿は一枚の絵のように見える
その場所が別世界のようにも見えた



「残念だったな、話しかける切欠が潰れて」

「っ、煩いっ」

「え?」

「いやなに、が彼女と友達になりたいらしいんだ」

とシリウスは黙っててよっ」



大広間へ続く廊下を歩きながら昨夜から今朝にかけてできた
友人達の騒がしい会話を聞きながらリーマスは朝食についた






それから暫くたってからは大広間に姿を現した
そのままテーブルの端に座りフルーツを中心に軽く朝食を済ませる
挨拶をされればそれを返すということを繰り返し授業に向かう事にする

一番最初の授業は『変身術』














ゆっくりと廊下を歩きながら教室へ足を踏み入れるにリーマスが声を掛ける



!僕一人だけあまっちゃってさ、一緒に座らない?」

「うん・・・ありがとう、リーマス」



リーマスに促され席に着くと前の席には、朝リーマスと一緒にいた黒髪の少年二人
隣の席には同じく焦茶色の髪と金髪の少年が座っている
そして後ろには隣にいる焦茶色の髪の少年と同じ髪色をした少女と赤毛の少女
リーマスを含め7人全員がを見つめにこにこと笑っている



「・・・・・・えーと、リーマス?」

「うん?あぁ、彼等はね僕の同室で・・・」

「僕はジェームズ・ポッター!ジェームズって呼んでほしいな」

「お、俺はシリウス・ブラック・・・シリウスでいい」

「ぼ、ぼ僕はピーター・ペティグリュー」

「で、俺が。それから後ろにいるのが双子の妹の・・・」

「・・・です・・・」

「私はと同室のリリー・エヴァンズよ、よろしくね」



矢継ぎ早に自己紹介され、は瞬くことしかできなかった
それを見てリーマスは苦笑を零す


「えぇと・・・です」

「「「「よろしく、」」」」

「こちらこそ・・・」



恐るべし子供パワーとが思ったかどうかはさておいて
が困ったように微笑むとリーマスも同じように微笑んだ
授業が始まるまで後数分・・・



は誰かと同室じゃないの?」


リリーが口火を切ると先ほどと同じように矢継ぎ早に質問される



「え、えぇ・・・私は一人部屋だから・・・」


「えぇ!?一人なの?いいなぁ、僕達は五人だよっ」

「ちょーっと俺達には狭いよなぁジェームズ」

「でも人数に合わせて部屋の広さもあるんじゃないかい?」

「どうだろ?」


の前の二人が話していれば隣からも声がかかる



は日本人だよな、名前も日本っぽいし」

「一応、日本人・・・かな?」

「一応・・・って」

も日本だったよね」


からの質問に言葉を濁した
それにシリウスが突っ込むがそれをリーマスが遮る


「そうそう、日本国籍だから俺達も一応日本人。実際は日本とイギリスのハーフ」



何か言いたげなシリウスをリーマスが爽やかな微笑で交わしていると
授業開始のベルが鳴った








最初の授業で教授は寮監ということだけあって
生徒達は若干緊張気味だった
そんな空気の中だけは緊張する事もなく
寮監、マクゴナガルの言葉を聞いていた


授業の説明や心構えを話し終えると一本のマッチ棒が配られる
それを針に変えるのがこの授業の課題のようだ



はマッチ棒を眼前に置くと一つ息を吐いて杖を用意する


このホグワーツに住むようになってからは毎日本を読み
時折ダンブルドアに許可を貰い杖を振るようになっていた

その成果もあってか今回の課題であるマッチ棒を針に変えるなんてことは
にとっては簡単なものだった



が軽く杖を振ればマッチ棒は銀色の細い針に姿を変えた
よし、と満足そうに針を見つめるにリーマスは驚いた



「もうできたの?凄いよっ」

「へ?あ、あー・・・そうかな?」

「うん、僕なんて全然駄目だよ・・・」


肩を落とすリーマスにふっと微笑んだ



「んっとね・・・イメージすること、かな?」

「え?」

「コツ、イメージすること・・・例えば、この羽ペンが小さな鳥になる・・・」


言いながらが杖を振れば、白い羽ペンが小鳥に変わる
もう一度杖を振ると元に戻った


そのやり取りをジェームズ、シリウス、にリリーが
驚いて見ている事にリーマスとは気づいていなかった


そのすぐ後にジェームズ、シリウスは針に変える事に成功させ
暫くしてから、リリー、と成功させていく

リーマスもなんとか針に変える事が出来た

ピーターは悪戦苦闘しながらもなんとか形だけ変える事に成功した


「今年は優秀な新入生が多いようで喜ばしい事です」



ほくほくとマクゴナガルは微笑み寮監を務めているグリフィンドールに20点加点した
このあと彼等がとんでもない事を仕出かす集団になることを彼女はしらない