Moonlight Affection 01
夜柱に背を預け縁側に座り紫煙を燻らせる
柔らかい月明かりがその身を照らす
カツン・・・と煙管を叩き、新しい葉を入れ火を点ける
視線を上げればそこには月
軽く瞳を閉じ昔に思いを馳せる
まだ尸魂界で白羽織を着ていたあの頃に・・・
浦原はいつものように執務室を抜け出していた
あまりにも良い天気で仕事をする気にもならず
瀞霊廷の外れにある見晴らしの良い丘に来ていた
そこがいつもの浦原のサボリ場所だった
丘の上から瀞霊廷を見下ろすかのように立っている大きな木の下にくると
鳥の鳴き声と一緒に笑い声も聞こえてきた
おやおや先客ですか?
そう思いながら声の主を探し始めた時
目の前に一房の銀糸が落ちてきた
髪・・・ですかねぇ、これまたえらく長い・・・
ふと上を見ると木の枝に器用に寝そべっている人
小鳥を指に乗せ頬杖をついて微笑んでいる
少女にも見えるがそこまで幼くもない
よくよく見ると彼女は死覇装を着ていない
旅禍・・・?いや、それだったら今頃大騒ぎしてますねぇ・・・
じゃあ貴族の方ですかねぇ
喜助の視線に気付いたのか彼女は顔を下へ向けた
「・・・!!」
透き通るような白い肌、絹糸のような白銀の髪
そして浦原を捕らえた燃え上がるような真紅の双眸
一瞬 浦原の思考が止まった
そしてゆっくりと彼女が口を開く
「・・・ひょっとして、私が・・・見えるの?」
「 は? 」
自分が現世で人間に言うことがあっても
決して自分に言われることのない言葉に唖然とする
「だーかーらー、私のこと・・・見えてるよね?」
「はぁ・・・」
彼女は死神じゃないのか?何者なんだ?敵か?
などと ぐるぐる考えてしまう
頭脳明晰な浦原でもさすがに戸惑う
そんな浦原を見てクスリと笑って一言
「ねぇ、受け止めてくれる?」
言うと同時に枝から飛び降りる
「 は、はいいいぃぃ?! 」
ドサッ
しっかりと受け止めた身体はとても軽くて華奢だった
「ありがとう」
そう言って見せた笑顔に浦原の顔が熱くなる
「アナタは誰です?ってか何者なんです?」
顔の熱を隠すかのように 彼女を下ろしながら問う
「・・・ないしょv でも近々解かるよ、きっとね」
「内緒・・・ですか・・・」
人差し指を唇に持っていき彼女はクスクスと笑っている
・・・可愛いっスねぇ・・・
「・・・でも、おかしいなぁ ココの人にはまだ
私の姿は見えないはずなのに・・・」
「見えないはず・・・とは?」
面白いことを言うお嬢さんですねぇ・・・
ますます興味が湧く
「んー兎に角、見えないはずなのに貴方には私が見えちゃってる」
「・・・その理由を訊いているんですがねぇ・・・」
彼女は何かに気が付いたように横に視線を向ける
「あ・・・瑠璃、何時の間に・・・あ〜そんなことより
なんか私の姿が見えてるみたいなんだけど
私・・・失敗したかな?・・・ってかこの子見えます?」
何やら独り言を言っていると思ったら
すぐ隣の空間に手を置いて浦原に訊いてきた
演技にも見えるが浦原は話に乗ってみることにした
「いぃえぇ〜、何も見えませんよン」
彼女はじぃっと浦原を見るが
自分の傍にいる者が見えていない事を確認して
隣に視線を落として真剣に話している
が、浦原には独り言を言っているようにしか見えない
「私だけ見えているみたい・・・やっぱり失敗した?」
「ナニが失敗したんスかぁ?」
「そ・それは・・・「浦原隊長!やっと見つけましたよ!」
理由が聴けるかと期待したとたん後ろから声がかかった
「・・・阿近・・・」
「こんな所で何やってんです?しかもでかい独り言言って・・・」
「・・・ひとり・・・ごと・・・?」
唖然としながら振り返る
そこには息を切らしながらやってきた
額に角のようなものがある人物 阿近
しかも浦原一人しか見えていないようだ
「独り言ですよね・・・浦原隊長しかいないですし・・・」
その言葉を聞いて彼女はますます不思議そうな顔をしている
「他の人には見えてないんだ〜」
そう言いながら阿近の顔の前で手をヒラヒラさせている
「な・・・っ」
「隊長・・・?」
自分の顔をみて吃驚している浦原に
阿近は怪訝そうな顔をしている
「・・・隊長・・・なんか変なもんでも食ったんすか?
それとも何かの実験を自分で試してるとか・・・
研究のし過ぎで幻覚が見えるとか・・・」
「阿近のなかのアタシのキャラって・・・
そんなんなんスね・・・」
「オレだけじゃないですよ、隊・局の全員がそう思ってます(キッパリ)」
「酷っ」
ガックリと項垂れ拗ねる素振りを見せる浦原
そんなやりとりを見て彼女はケラケラと笑っている
そんな彼女に浦原が視線を戻すと
「貴方にだけ私が見えるっていうのも不思議ね〜
あ、私 っていうんだ
また会いましょ ウラハラ隊長v」
笑いを堪えながら手を振って
そのまま消えた
瞬歩を使った?
いや・・・そうは見えなかったような・・・
どちらにしても阿近さえこなかったら・・・
彼女が消えた空を見つめる浦原を見て
阿近がますます怪訝そうな顔をしてみせた
「ってか、浦原隊長!早く戻ってください!
仕事が進みませんから!!」
「えぇ〜戻らないとダメっスか〜?」
「ダメです!」
その後 執務室に無理やり連れ戻され
山になった書類を片付けるまで阿近に見張られることになった
「・・・これで・・・やっと・・・終わり・・・」
最後の書類に判を押し終えると
机に両腕をつき猫のように伸びをした
ふと窓を見ると空は闇色 目の端には少し欠けた月
その月に視線を移すと、昼間会ったを思い出した
明日もう一度あの場所に言ってみましょうかねぇ・・・
ひょっとしたら又、会えるかもしれない
今日初めて会ってほんの少しの間、言葉を交わしただけなのに
なぜこんなに彼女に会いたいのか
なぜ彼女の事がこんなに気になるのか
確かに彼女の不可解な言葉も気になるが
どうもそれだけではないようだ
物や人にあまり執着心をもたない浦原には初めての感情だった
りお 「長い・・・でも、ヒロインさん登場しましたぁ!」
喜助 「そっスね・・・でも、アタシ さん のこと名前で呼んでないっスよねぇ(怒」
りお 「あ・・・あはっあはははは・・・いや、これからは厭になるくらい呼んでもらいますから」
喜助 「イヤになるわけないじゃないっスか アタシの大事な さん なんスから」
りお 「次回は・・・あんまり話が進んでないような・・・(汗」
喜助 「・・・・・・・・・(怒」
りお 「それではっココまで読んでくださいましてありがとうございましたっ(脱兎」
喜助 「また会いましょうねぇ♪」