Moonlight Affection 05




「緊急の隊首会っスか・・・面倒くさいですね・・・」


先日の月見の逢瀬からの顔を見ていない(と言っても1日だけだが)
喜助は少し不機嫌だった

それでも召集には行かなければいけなくて
面倒くさいながらも一番隊隊首室へ向かう

重苦しい扉を開けるとほとんどの隊長達は揃っていた
その中になぜか夜一の姿もあり、喜助は訝しげに眉を寄せた







「隊首会を執り行う!」


総隊長である山本の声に傍に控えている副隊長達は居住まいを正した



「今日の隊首会は新しい隊を設置することになったのでそれの報告と
 披露目も同時に行う」


山本の『新しい隊』の言葉に隊長達がザワつく


「静かにせんか、それから此度の隊は番外であるから零番隊となる」

「番外・・・って、山じぃ それどういう事?」

「うむ、その言葉の通り番外・・・儂らにも中央四十六室にも口出しは許されておらぬ」

「はぁ?!だったら王族特務とか・・・」

「それが王族より更に上からの達しじゃ、それ以上は儂も解からぬ」



その言葉に更にザワつく中、一人だけ何か思い当たった風な表情でいる喜助


ひょっとして・・・いや、ひょっとしなくても
サンのことじゃないっスかねぇ・・・
そして夜一サンが言っていた事も納得がいく



「とにかく、零番隊は既に結成されておる・・・入ってきなされ、殿」



ゆっくりと扉が開かれる・・・そして金属の擦れあう音
隊首会に召集されていた全員が注目する中、優雅に歩を進める
白い衣に黒の陣羽織、その背中には白く『零』の染め抜き
足元は草履ではなくブーツに見えるその踵は物凄く高いピンヒール
片手には黄金色の朱の紐が飾ってある太刀
長い銀髪を揺らしながら口元には笑みを浮かべている
そしてその後ろに控えている白い死覇装を纏った男女
男の方は紫紺色の髪で、女の方は藍色の髪
二人ともが整った顔立ちである

喜助の前をゆっくりと通り過ぎる
この時、は喜助と目があうと悪戯っぽく片目を瞑った



やっぱり・・・そうだったんっスねぇ・・・
2・3日待てとはこの事だったんスね
まったく人を驚かせるのが好きな人だ・・・




中央の山本の所までいくと一つ二つ言葉を交わし、隊長達に向き直る
そしてふわりと微笑み、口を開いた


「この度、零番隊隊長を任されることとなりましたと申します
以後、お見知りおきを・・・あ、と・・苗字はありませんのでとお呼びください
こちらにおりますのは副官の蘭丸と瑠璃といいます」


ほとんどの者が見惚れて言葉も出なかった
はその様に苦笑しながら山本の横に控えた
山本は大きく一つ咳払いをすると惚けていた者達が我に返る


「隊と言えどこの三人だけの隊員である職務内容はお主等とほとんど変わらぬ
以上だ・・・殿、後はよろしいかな?」

「はい、結構です・・・私達の隊舎は十三番隊の奥・・・ということでしたね」

「うむ、案内はいるかな?」

「いえ、大丈夫です」

「そうか・・・なら、これで隊首会は終わるとしよう」



山本が奥へと消えるとの周りに我先にと隊長達が集まってくる
やれやれ・・・と肩を竦めながら夜一は喜助に眼を向けると
には近寄らずその場でを見つめているだけだった



「喜助よ・・・お主は行かんのか?」

「そうっスね〜♪」


相変わらず何を考えているのか解からぬ奴、と呆れていると


「喜助さん」

「「「「「・・・は?」」」」」



満面の笑みで喜助に小走りで向かって来る
それをただ見送る唖然とした顔の隊長・副隊長達
それが喜助の笑いのツボに入りそれを堪える喜助の肩が微かに震える


「喜助さん?どうしたの?」

「いやぁ、何でもありませんよん」

「そう?それより・・・黙っていてごめんなさい」

「構いませんよ、今日解かったことですし」



済まなさそうに謝ってくる仕草に愛しさが込み上げてくる
他の男達への牽制も込めて抱き締めようとしたら、隣にいた夜一にちろりと睨まれる



「喜助・・・どういう事なのか、後でゆっくりと話を聞こうかの・・・?」


その言葉にへらぁと笑うだけの喜助
は夜一に視線を向けるとにこりと笑い夜一に手を差しだす


「はじめまして、です
貴方は白羽織を着ていないんですね隊章もつけられてない・・・お名前を聞いても?」

「あぁ・・・儂は 四楓院 夜一 隠密機動総指令と第一分隊『刑軍』の軍団長を務めておる」

「そうですか、・・・夜一さんと呼んでも?」

「かまわぬよ、儂もと読んでもいいかの?」

「はい、よろしくお願いします」

「敬語もいらぬよ、儂は堅苦しいのは嫌いなんじゃ」

「ふふっ、私達似たもの同志かもしれない・・・私も堅苦しいのは嫌いなんだ」

「それは良かった、儂はこれから仕事がある・・・またの」

「またね、夜一さん」



喜助にニヤリ、と意味深な笑いを残して軽く握手を交わして夜一は帰っていった
暫くの間唖然と固まっていた隊長達は気を取り直してに近づこうとした時
喜助はさりげなくの肩に手を回して出口へと導く


「案内はいりますか?サン」

「それでは、お願いします」


出口へ向かう二人を止めたのは他ならぬの副官の二人


「「隊長!」」

「あ、なーに?」


よくやった!と他の隊長達は心で叫んだ・・・が次の言葉でがっくりと肩を落とした


「自分達は探索もかねて護廷をみて回りたいのでお二人で・・・どうぞ」

「そう?わかった、じゃ後でね」

「はい、では隊長の事よろしくお願いします 浦原隊長」

「はいは〜い♪」


頭を下げる二人に手を振り、その後ろから冷たい視線を送ってくる男共に
ふ・・・っと勝ち誇ったような笑みを残して喜助はの肩を抱き一番隊首室を出た



「「「「なんで浦原なんだ?!」」」」


残された男・・・隊長達の叫び声がこだましたとか・・・













  


ヒロインさんは隊長さんでした!
ありきたりだなぁ・・・でも!まだ他の設定があるんですよ
それはまだ先のことなんです

自分の文才のなさに胃が・・・!!