Moonlight Affection 07






桜は散り葉桜となり季節は夏を迎えた
は暑苦しい黒い陣羽織を脱ぎ流魂街へと来ていた



「ここも熱さは変わらないか・・・       



そう言いながらも汗一つかいていない涼やかな姿で辺りを見回すと
物陰からちらちらとを伺う者達の中、高台で一人呆然と空を見上げている娘を見つけた
きっと流魂街に流れ着いたばかりなのだろう
自分がどこに居るのかさえも解かっていないようだった




「・・・ねぇ、どうしたの?」

「え・・・?」



が話しかけると、我に返ったように振り向いた
漆黒の髪が日光を受けて緑色に艶めいて、に向けられた瞳は菫色だった
そしてその全身から発せられる霊圧を感じるとは嬉しそうに再び話かけた



「私は・・・貴女は?」

「あ・・・私は・・・ です・・・あの・・・ここは・・・?」

「いい名前ね、ここは流魂街といって残念ながら現世で亡くなってしまった人の
魂魄・・・魂がくる所、貴女は・・はここに来たばかりね?」

「はい・・・そうですか、私・・・やっぱり死んでしまったんですね・・・」

「そうなるね・・・残念だけど・・・でも、はここでは暮らせない」

「なぜ・・・?」

「お腹・・・空いてない?」

「そういえば・・・でも、どうして?」

には力がある、霊圧・・・霊力ってヤツね
 でもここで暮らす人達にはないもの・・・つまり霊力のある者はお腹が空く
 霊力のない者は空腹を感じることはないの
 だから、霊力のある者は死神になるか・・・ここでなんとか暮らしていくか・・・
 でもには死神になれるだけの力がある、どう?死神にならない?」




の話を聞き唖然としているにふわりと微笑んで手を差し伸べた

「私と一緒に来る?」


「はい・・・っ」



は迷わずの手を握った
は嬉しそうに笑い護廷へとを連れていった





所変わって十二番隊執務室         ・・・
喜助は山のように積まれた書類にうんざりしてこれからどうやって逃げ出そうかと考えていた



「はー、もう毎日毎日厭になりますねぇ〜・・・阿近ー」

「ダメです」

「まだ何も言ってないじゃないっスか」

「隊長の言いたいことは解かってます、ですからダメです」

「そんな・・・」

「あははは〜、喜助の負けだね」

サンっ」




喜助はぱっと嬉しそうに顔を向けると、そこには愛しい恋人の姿
阿近はこれで仕事が少しは進むと胸を撫で下ろしている


「なーに?また仕事したくないとか言ってるの?」

「そうなんです、なんとか言ってください隊長」

「阿近、なんてこと言うんですかっ」

「本当のことじゃないですか・・・まったく・・・」

「まぁまぁ、喜助の仕事嫌いは解かってるけどね・・・
それよりも阿近、後で喜助の仕事手伝うからさ・・・ちょっと借りていってもいい?」

サン・・・どうして阿近に了解をとってるんスか・・・」

隊長がそう言われるなら・・・好きなだけどうぞ」

「ありがと」



いじけそうになる喜助を見て苦笑しながらその腕をとり執務室を出る
向かう先は双極・・・の下にある喜助の作った修練場
そこにぽつんと一人の人影が立っていた、喜助が驚いて見ていると
は地獄蝶に何かを言付け飛ばした



サン、あのお嬢さんは?」

「うん、流魂街で拾ってきたのv」

「ひ・・拾ってきたって・・・」

「いい素質・・・持ってるでしょ?」

「確かに・・・そうですが・・・まさか、サン?」

「あはは〜そのまさか・・・だったりして」

「本気ですか?」

「うん、ウチの隊にもう一人くらいいてもいいかな・・・って」



のあっけらかんとした物言いに喜助は唖然としたが
それは面白そうだと笑った


「でも、霊術院を出てないと後々面倒になるかもしれないから
 最短で卒業できるように仕込もうかな・・・と」

「なるほど・・・で、お嬢さんの名前は?」



は目の前でとその連れの喜助の話していることがいまいちよく解からず首を傾げていたら
いきなり話を振られたので慌てて名乗った


サンね、アタシは浦原 喜助といいます。ちなみにサンの恋人ですヨロシク♪」

「喜助っ!」

「ほんとの事を言っただけじゃないっスか」



二人のやり取りが面白かったのか笑いを堪えているの肩が震えている
喜助のせいで笑われたと口を尖らすに困った顔で頭を掻いている喜助を見て
は目を細めた




暫くの間、と喜助が霊力の扱いを教えているとそこに夜一が現れた



・・・先程地獄蝶で知らせてきたとは、この娘かの?」

「そうだよー、夜さん」

「ふむ・・・確かにいい素質を持っておる」

「でしょー、で・・夜さんはどうする?」

の話に乗るに決まっておる」





夜一とも挨拶を交わし再び霊力を扱う事に集中しようとするが
その前に・・・と夜一から死神についての講義を受けることになった
その間にと喜助は仕事を終わらせに十二番隊に戻ることにした
というより、が喜助を引きずっていった・・・









サ〜ン」

「なに?」

「気になりません?」

「気にはなるけど・・・それ以上に喜助の仕事が気になってるの
 面倒なのは解かるんだけど・・・ここまで溜めなくてもいいんじゃない?」



判子を押しながら呆れたように喜助を睨む
そんなつもりはないんですがね・・・とどこか嬉しそうにを見つめる


「・・・確信犯・・・?」

「なにがです?」




恍けられてもには解かっていた、書類を溜め込めば自分が手伝いにくる
その時間が喜助にとって嬉しい一時なのだと
基本的に零番隊に書類は少ない、主な仕事は現世及び尸魂界の巡回だからだ
なかなか喜助と会うことができないわけではない・・・が、喜助としては
常に傍にいたいと思っていたから・・・それが解かっているからは何も言わず仕事を手伝う
にとっても喜助との時間はかけがえのないものだから・・・     









  


オリキャラさん登場!どっちがヒロインさんだか解からなくなってしまいました(汗
ほんとスイマセン・・・
この過去編?喜助の思い出編?もあと少しで終わります・・・たぶん・・・
書き足りなかったことは短編にでもしようかな・・・と思ってます・・・ハイ