Moonlight Affection 12
凍てつく空気の中、氷の翼を背負った日番谷は
その身体から血を噴出し建物の屋上に力なく落ちる
「隊長!!織姫!織姫ちょっと来て、お願い!!」
副官である松本乱菊は路上にいる織姫を呼ぶ
それを上空で見ていた瑠璃はそのまま降下し、倒れている日番谷の傍に降り立つ
「十番隊隊長日番谷 冬獅郎・・・の副官だった少年・・・」
その呟きは気を失っている冬獅郎には届かない
瑠璃はそっと身を屈め鬼道で傷を治していく
その霊圧に乱菊が反応する
「誰!?」
「静かに・・・傷に障ります・・・」
「四番隊士?(でも・・・この霊圧は席官以上・・・何者なの?)」
乱菊の問いには答えず、素早く冬獅郎の傷を癒していく
なんとか屋上に上がって来た織姫は瑠璃の存在に驚いている
そして乱菊も僅かながら傷を負っているのに気付いて
織姫は乱菊の傷を癒す
「双天帰盾・・・」
「ありがとう、織姫・・・」
織姫の能力をちらと見た瑠璃は、面白そうな表情をする
「・・・(へぇ・・・何もなかった状態に帰す・・・というより傷そのものを
拒絶する・・・面白い能力ね・・・)」
「う・・・・・・っ」
「・・・気付かれましたか?もう少し我慢してください・・・」
「お・・前・・・どこの隊の者だ?」
「・・・・・・」
冬獅郎の問いにも答えず黙々と傷を癒していく
そのスピードは四番隊の席官よりもはるかに早い
訝しげに瑠璃を見つめる冬獅郎に、瑠璃は苦笑を漏らす
「すみません・・・私のことはまだお話できません・・・
・・・もう動いても大丈夫ですよ。何処か可笑しな箇所はありませんか?」
「すまねぇ・・・大丈夫だ。だが・・・話せない、とは?
俺はこれでも十番隊の隊長なんだがな」
「解っております、が・・・隊長命令ですので・・・
そうですね、これから私は自分の隊長の元へ行きます。付いてきますか?」
「・・・そうさせてもらう。松本!」
「はいっ」
「お前も大丈夫そうなら付いて来い」
もう一方では、路上で膝を付いている阿散井 恋次がいた
「ヤベェぞ・・・・・・一護・・・!」
「そう言う貴方もヤバめですがね」
「!?」
ふわりと恋次の後ろに降り立ったのは蘭丸
唐突な出来事に恋次は目を見開く
「誰だ・・・テメェ・・・(コイツ・・・気配もなければ、霊圧さえ感じねぇ・・・)」
「僕が誰なのかは、まぁ・・・置いといて。とりあえずその傷を治しましょう」
にこりと笑い縛道で恋次の動きを封じてから(酷い)鬼道で傷を癒していく
「おいっ、なんで縛道かけてんだよ!」
「いやぁ、おとなしく傷を治させてくれなさそうなんで・・・」
さらりと言う蘭丸に恋次は眩暈を覚える
「あぁ・・・まだあちらでは闘っているんですねぇ・・・」
「暢気な事言ってんじゃねぇよ!とっとと縛道を解きやがれ!」
「あともう少しで終わりますから、もう少し待ってくださいね」
有無を言わせない笑顔に中てられて、恋次は言葉をなくす
「・・・(何者なんだこいつ・・・っ)」
「・・・・・・終わりましたよ。あちらももうすぐ終わるでしょうから、行きますか?」
「言われるまでもねぇっ」
「・・・ちっ・・・こんなモンが卍解かよ・・・ガッカリさせんじゃねえよ死神!!
卍解してマトモになったのはスピードだけか!!あァ!?」
「 月 牙 天 衝!」
ドウッ!ドドドドドドドドドドドゥン!
息を切らし空を見上げているのは黒崎 一護
その視線の先には袈裟懸けに傷を負った破面グリムジョーがいる
「・・・何だ今のは・・・?そんな技・・・ウルキオラからの報告にゃ入ってなかったぜ死神・・・!」
「・・・ガッカリせずに済みそうか?破面」
そう話している時にも一護の片目がザワついている
「・・・待てよ・・・もうちょっとだからよ・・・」
「はっははははははははははははっ!!!
上等じゃねえか死神!!これでようやく殺し甲斐が出て来るってモンだぜ!!」
「・・・(くそっ・・・!傷が浅え・・・月牙天衝をモロにkらってもあの程度かよ・・・
黒い月牙天衝は元々はあいつの技だ、使えばあいつが出てくるのを早める・・・
正気で撃つのはあと2・3発が限界だ・・・・・・どうする・・・・・・!)」
一護とグリムジョーの戦いを近くの屋根の上から見ていたは
溜息を一つ零すと立ち上がった
「うん、そろそろ限界かなぁ・・・あの少年は何かを恐れてるね」
「・・・オイ、ボサッとしてんなよ死神。次はこっちの番だぜ」
グリムジョーがその腰に挿してある斬魄刀に手を掛けた時だった
キィンと空気が震える音がすると、斬魄刀に手を掛けていない方の腕の肘からし下が切り落とされた
「・・・っぁああああああぁぁぁぁぁぁあっ!!!」
「選手交代♪」
「!?っ、あんた誰だ!?」
にこやかに一護の前に降り立つ
あまりの出来事に一護の思考がついていかない
纏っているのは緋色の服で霊圧のれの字も感じさせない
グリムジョーは怒りを湛えた瞳でを見据える
「何者だ・・・テメェ・・・今何をしやがった・・・」
「さぁ・・・?」
くすくすと笑いながらゆっくりとは手で円を描く
先程と同じようにキィンと音が鳴りドーナツ型の光の輪が浮かぶ
「人間はこれを鎌鼬って言うらしいけど・・・っ」
器用に掌を反すと光の輪はグリムジョーの頬を掠める
「テメェ・・・っ、そこの死にぞこない死神を殺す前にテメェから殺してやる・・・!」
そう叫び再び斬魄刀を手にした時にグリムジョーの後ろに東仙が現れる
驚いているのは一護とグリムジョー、は気付いていた
空紋が開かれ死神が現れた事に
「東仙・・・!なんでてめえがここに居んだよ!?」
「“何故”か・・・だと?解らないか、本当に?
独断での現世への侵攻・・・五体もの破面の無断動員、及びその敗死 。
全て命令違反だ、わかるだろう・・・藍染様はお怒りだ・・・グリムジョー
行くぞ、お前への処罰は虚圏で下される」
東仙はゆっくりとグリムジョーの周りを歩き牽制する
は東仙を珍しそうに見上げているだけだった
「・・・ちっ・・・・・・わかったよ」
グリムジョーが背を達に向けた時、腑に落ちない一護が叫ぶ
「・・・ま・・・待て!どこ行くんだよ!!」
「ウルセーな帰んだよ・・・虚圏へな」
開かれる空紋に入っていくグリムジョーに尚も一護は叫ぶ
「ふざけんな!勝手に攻めて来といて勝手に帰るだ!?
冗談じゃねえぞ!!下りてこいよ!!まだ勝負はついてねえだろ!!!」
「あー少年、勝負はついていたよ。今の君じゃぁアレには勝てない
君が勝てる見込みがあったのなら私はここにはいないよ」
「・・・その女の言うとおりだぜ、死神・・・勝負がつかなくて命拾ったのは
てめえの方だぜ。さっきの技はテメーの体にもダメージを与えるってことは
今のてめえを見りゃわかる、撃ててあと2・3発ってとこだろう
だが仮にあの技をてめえが無限に撃てるとしても、てめえに開放状態の俺は倒せねえ」
「・・・開放・・・・・・状態だと・・・?」
「・・・俺の名を忘れんじゃねぇぞ、そして二度と聞かねえことを祈れ
それから女、この腕の借りは必ずかえすぜ・・・
俺の名は、グリムジョー・ジャガージャック
この名を次に聞く時がてめえ等の最後だ死神、女」
空紋は閉じられたが、一護はそこから目を逸らせずにいた
ザリ・・・ッと音を立てて現れたのは蘭丸と恋次だった
「蘭丸・・・そこに倒れている死神の治療を・・・」
「はい・・・」
「・・・破面どもは・・・虚圏に帰ったのか・・・・・・勝ったのか」
「・・・敗けた」
「・・・馬鹿野郎、生きてりゃそれで勝ちじゃねえか」
「嘘、吐くなよ・・・お前が俺ならそうはいわねえ筈だぜ
・・・俺は誰も護れちゃいねえ、傷つけた奴を倒せてもいねえ
俺は、敗けたんだ・・・グリムジョー・・・」
ずっと空を見上げて話す一護、蘭丸に続いて瑠璃もその場に到着する
は一護を見て誰かに似ていると思った
思考を巡らせると一人の男に辿り着いた
「・・・(あぁ・・・一心さんだ、この少年は一心さんの子供なんだろうな)」
「隊長・・・」
「へぁ?あ、あぁ・・・瑠璃、遅かったね・・・着いて早々悪いんだけど
この周辺の処理を・・・空間凍結はされてると思うんだけど・・・心配だから」
「了解しました・・・」
「・・・っ、そうだ!あんたっ一体何者なんだ!?」
「おーやっと気付いてくれた・・・ま、その前に君の傷を治さないとね」
「そうじゃなくてっ!」
一護が何を言おうが構わずには傷を癒していく
「あー、あんまり暴れると縛道かけるから」
「一護・・・ここはおとなしくしておいた方がいいぞ・・・」
「なんだよ恋次!お前は知ってんのか?」
「それを聞くために俺達もここまで来てんだよ。黒崎」
「冬獅郎!」
「・・・日番谷隊長だっ」
「そうだっ、瑠璃ー!その辺に破面のグリムなんとかっていう奴の腕が落ちてるはずだから
それ拾ってデータ分析して冷凍保存しといてー!」
「データ採集は解りますが・・・冷凍保存してどうするんです?」
「何言ってんのよ、蘭丸。決まってるじゃない、マユリちゃんへのお土産よ」
「「・・・やっぱり・・・・・・」」
の『マユリちゃん』発言に冬獅郎を筆頭に尸魂界の死神達はギョッとする
「十二番隊の涅の関係者か・・・?」
「は?んー当たらずとも遠からずってところかな?」
「いや・・・違いますから、隊長・・・」
「なんでー?」
「あの二人の共通点は十二番隊隊長ということと技術開発局局長であるということだけでしょう?」
「そうだけど?」
「あんた達なんの話をしてるんだよ、俺達にも解りやすいように話してくれ」
「あーごめんねー、でもね・・・ちょーっと面子が足りないんだよねぇ
・・・っとこれでヨシ、どう?もう痛くないでしょ」
にこにこと笑いながら一護から手を離す
蘭丸が治療していたルキアも既に回復している
さて・・・とは一護達に向き直ると抑えていた霊圧を開放した

あれ?再会が・・・喜助さんの喜の字もでてこないし・・・(汗
思った以上に長くかけすぎたのかしら・・・ん
端折れる所は端折ったハズなんだけどなぁ・・・・・・
ということで次回こそ再会です!!