【幾松】
「・・・という訳で・・・」
「良かったじゃないかぁ、あんたもやっと素直になったんだねぇ」
はこの日、幾松の家へと赴いていた
昨晩の剣心との事を報告がてら礼を言いに来ていたのだった
「で、その後どうなったんだい?」
「は?その後って・・・寝ましたけど?」
「はぁ?・・・・・・(緋村君って晩生っていうか甲斐性無し?)」
「・・・何か、問題でも?」
はぁぁっっと大きな溜息を漏らす幾松に、はおずおずと聞く
それを呆れた様子で幾松はに話しかける
「あんた・・・同衾って言葉を知ってるかい?」
「・・・・・・?」
「知らないんだね・・・まぁ、同じ布団で寝る事を同衾というんだけどね
一緒に寝るだけじゃぁ駄目なんだよ。身体の相性ってのをみるんだ」
「・・・身体の相性・・・ですか?」
「そう、心の相性が良くても身体の相性が悪かったら長続きはしないよ」
「はぁ・・・それじゃ、身体の相性というのはどうやってみるんですか?」
「それはね・・・ 」
幾松がに性教育を始めた頃、その家の敷居を跨ぐ男の姿。桂 小五郎である
「お、来客か?珍しいな・・・」
そう零しながら、草履を脱ぎ部屋へと足を向けると
襖越しに話し声が聞こえてくる
話しているその内容に桂は眩暈を起こした
「×××の○○○を△△して@@@で・・・・・・***なんだよ
さっき、あんたが言ってた口吸いでフワフワした気分になったっていってたろ?
それが※※※ってことなんだよ。解るかい?」
「はぁ・・・」
「・・・一体何の話をしてるんだ・・・・・・さっきの気の抜けた声は、か?・・・松、入るぞ」
「おや、あんた」
「さっきから何の話をしてるんだ・・・」
「嫌だね、聞いてたのかい?」
「・・・聞こえてきたんだ。?・・・おい、、大丈夫か?」
は目の前がチカチカしていて桂が来た事すら気付いていない
幾松の話が頭の中をぐるぐると廻っている
呆然とした表情で固まっているの肩を掴んで桂は軽く揺さ振ってみる
「おいっ!?」
「はぇ?かっ桂先生!?」
「あはははっ、ちょっと刺激が強すぎたかねぇ。
でも私が君くらいの時には知ってた話しなんだけどねぇ」
カラカラと笑いながら話す幾松と心配そうにを覗き込んでいる桂
は数回瞬きをして深呼吸をした
「大丈夫か?」
「はい・・・俺の歳で姐さんは知ってたんですか?」
「そりゃそうだよ、十六となったら嫁にいってもいい歳だしねぇ
あんたも年頃の娘なんだし、ちゃんと知っておいた方がいいんだよ」
「娘・・・?」
「あ゙ぁっ」
「おや、まだ言ってなかったのかい?」
「あぅ・・・桂先生にお会いする機会がなくて・・・」
しゅんと項垂れるを信じられないという表情で凝視する桂
「お・・・お前・・・娘って・・・娘ぇ!?」
「あんた、いつから耳が遠くなったんだい?」
「す、すみません・・・黙ってて・・・」
「え、いや・・・あぁ・・・しかし、最初から言ってくれればいいものを・・・」
「言えば志士としてここに居れなくなるかもしれないと思いまして・・・」
「あぁ、そういうことか。まぁ唯の娘ならそうだったかもしれんが・・・
は剣の腕がたつからなぁ、今となっては必要な人材だし・・・
・・・緋村は知っているのか?」
「・・・はい・・・・・・」
ふむ・・・と片手を顎にやり考える仕草を見せると
幾松がぱしんと桂の背中を叩く
「これだから男は・・・あんた、さっきの話し、聞こえてたんだろ?」
「え?あ、あぁ・・・・・・!!・・・えーと、は緋村と、その・・・」
「はぇぁ?」
「なーに素っ頓狂な返事をしてんのさ、昨日の夜二人共が想いを遂げたそうだよ」
幾松の言葉にの顔はこれでもかというくらい真っ赤になり
俯くに桂はどう声をかけていいものかと頭をぽりぽりと掻く
「兄弟のように仲がいいとは思っていたが・・・そうかぁ・・・
緋村のことは心配していたんだ、その・・・色々とあったものだから・・・」
「桂先生、俺・・・知ってますから気を使われなくても大丈夫ですよ」
「!・・・そうか。 ・・・で、緋村は今がここに居る事を知っているのか?」
「・・・・・・あ゙・・・・・・」
「はぁ・・・知らないんだな。今頃血相変えて探しているぞ、きっとな・・・」
「聞いてはいたけど・・・過保護だねぇ・・・」
「すみません・・・」
「が謝る事はないさ。緋村が過保護な理由がこれで解ったよ」
幾松がお茶を淹れ替えると、「おや、お茶菓子が切れてしまったね」と
桂に視線を向ける。すると桂は苦笑しながら「はいはい」と立ち上がった
「いつもの茶菓子でいいか?ついでに緋村を捕獲してくるよ」
「えぇっ!?」
「頼んだよ」
が自分もとおろおろしていると、幾松に宥められて元の場所に据えられる
桂は軽く手を振って幾松の家を出た
その頃、剣心は案の定、血相を変えてを探していた
が「少し出てくる」と部屋を出たのは昼過ぎで、今は日も傾いて夕暮れ時である
「何処をふらふらと歩いてるんだっ」
ぶつぶつと文句を言いながら、の行きそうな茶屋等を廻ってみる
剣心の中で不安が大きくなっていく
自分の知らないところで元の時代に戻ってしまったのではないか・・・と
その時、遠くから声をかけられた。
「やっぱり、を探していたな・・・おーい、緋村〜」
「桂先生?・・・って何一人で出歩いてるんですかっ
護衛の一人くらいは付けてくださいよ!」
「いや〜、松に頼まれて茶菓子を買いに来ただけだから・・・
緋村は何をしてるんだ?」
「あ、その・・・」
「緋村の探し者の在り処を俺は知ってるぞ、付いて来い」
「は?いや・・・ちょっと待ってくださいっ」
「置いて行くぞ〜」と楽しげに言う桂に、内心舌打ちをして付いて行く
着いた先は桂の恋人の家で、剣心は、そういえば茶菓子を頼まれたと言っていたな・・・と
思いながら敷居を跨ぐと、そこには見慣れた草履が置かれていた
「ここにいたのか・・・」
「そう、俺も吃驚したぞ。それから、聞いたぞ緋村・・・」
「?何をですか?」
「色々と・・・な」
楽しげに言う桂に、剣心はぞくりと悪寒を感じた
「・・・・・・(遊ばれる・・・)」
「ま、遠慮せずに上がれよ」
「はぁ・・・」
襖を開ければそこにはと幾松が向かい合ってきゃらきゃらと話をしている
「おかえり、思ったより早かったね」
「あぁ、予想通りに緋村も見つかったよ」
「緋村・・・っ」
「・・・・・・」
「あぅ・・・(怒ってる〜)」
「お前は・・・遅くなるなら行き先ぐらい告げていかんかっ」
拳骨での頭をぐりぐりとすると(勿論、力加減はしている)
涙目で見上げるその表情に剣心はくらりとする
「こらこら、女の子をそんなに乱暴に扱うもんじゃないよ。緋村君」
「え?・・・・・・?」
「姐さんにもバレちゃいました・・・」
えへへと笑うに剣心は「絶対にこの二人に遊ばれる!」と確信した
幾松は幾松で「バレないほうが可笑しいんだよ」と言っている
「・・・『姐さんにも』ということは、緋村や松に俺以外で知ってる奴がいるのか?」
「あー、あははは・・・」
「もしかして・・・」
「緋村・・・そのもしかして、だったりする・・・」
「緋村には心当たりがあるのか?」
「新撰組副長、土方 歳三・・・だな?」
「大当たりです・・・」
「どおりで・・・よくちょっかいをかけてくると・・・」
「おいおい・・・土方にはどうしてバレたんだ?」
「えぇっと・・・勘、だそうです・・・」
「「はぁ?」」
が小さくなりながらぽつりとそう言うと、幾松が面白そうに笑い出す
「松・・・?」
「いやぁ、その副長さんはデキた男だねぇ
きっとそれなりの場数を踏んできてるんだろうねぇ
大体、こんな可愛らしい娘が近くにいるのに気付かない男は唐変木だよ」
「厳しいな、松は」
「そりゃそうだろ?私が気付いたのは同じ女だからだよ
それにしても、緋村君・・・私が見るからには、随分と我慢してるみたいだねぇ・・・」
「ね、姐さんっ!!」
「・・・?我慢?・・・・・・緋村、何か我慢することあるの?」
「おっ、お前は知らなくていいっ」
「先が思いやられるねぇ・・・」
この日、剣心はに何を我慢しているのかと延々と聞かれ
更には桂と幾松にからかわれ、げっそりとして部屋に戻ったそうな・・・
幾松に「明後日にまたおいで」と言われ、しっかりと約束を交わされてしまい
また遊ばれるのかと不安を胸に抱きつつ、隣で無防備に眠るを見つめ溜息を一つ
剣心とて男である、それも十代の。惚れた娘が自分の隣で眠っている
が女と判ったその日から己の欲望と理性が闘っている
昨夜などどれほどを抱きたいと思ったか
しかし、は無邪気に「おやすみ〜」と眠ってしまい
にそういう知識がないのだと頷いた。仲間内でよく花街の事など話しているのだが
どうやらには今ひとつ解っていなかったようだ・・・
幾松が「先が思いやられる」と言っていたが本当にそうだと深い溜息をついた


戦いの前に2・3話お話をいれることにしました(汗
思いつきです・・・やっぱりプロットどおりにはいかない・・・(泣
この2・3話のなかできっと剣心の理性は切れることでしょう(笑
幾松姐さんの性格や口調は私の想像です(笑
芸妓さんだったということですので、こんなかんじでいっかなぁと・・・
ちゃきちゃき姐さんが好きなもので(汗
×は○@には好きな文字をお入れください(笑
ヒロインさんにそういう知識がないのはお父様に育てられたからです!(汗
男親って娘に教えなさそうじゃないですか?