【夜叉姫】
時は流れ、は剣心と共に何度も新撰組と切り結び
『人斬り 抜刀斎』の傍らに『修羅童子』在りと言われるようになった
そして二人はその髪の色からか「赤と黒、闇に覆われ血に染まった今の京そのものだ」
そう言われ、この時代の京都の象徴のようだとも言われていた
「ん〜良い天気、こんな日はやっぱり茶屋で団子だな」
そう言いながらは馴染みの茶屋でお茶を啜り、団子を頬張っていた
「あれ・・・トシさん、前方に『修羅童子』発見」
「お・・・一人なんて珍しいな・・・」
「そうですねぇ、僕達もお茶していきません?」
「いいな・・・華見といくか」
「花見って・・・花なんか何処にも咲いてませんよ?」
「いるじゃねぇか、そこに。それに俺に言わせりゃ『修羅童子』ってぇより・・・
『夜叉姫』だな・・・そう思わねぇか?総司」
「なるほど・・・確かに、男子にしおてくのはもったいないですねぇ」
帯剣はしていても羽織を着ていない、任務外の新撰組副長と一番隊組長は
のほほんとお茶をしているに近づいた
「やぁ、君。君が一人でいるなんて珍しいね」
「沖田さん・・・と、土方さん」
が少し警戒して刀を脇に引き寄せると
二人は苦笑しながら「任務外だ、そう警戒すんな」とを挟んで腰を下ろした
「いいんですか?俺なんかと話してて・・・」
「さっきも言ったように、任務外だ。それより・・・抜刀斎はどうした?
今日は一緒じゃねぇのか?」
「そんないつも一緒という訳じゃないですよ・・・それに、緋村は甘いものはあまり・・・」
「そうなんだぁ・・・こんなに美味しいのに」
「ですよねっ、沖田さんもそう思います?」
どうやらと沖田は意気投合したようでにこにこと団子を頬張っている
それをふ・・・っと頬を緩めて見ている土方、その場にはほのぼのとした空気が漂っている
「ねぇ・・・君って、本当に男なの?」
「へ?な、なにをいきなり・・・沖田さん?」
「いやぁ、さっきトシさんが・・・ねぇ?」
「あぁ・・・『修羅童子』より『夜叉姫』の方がお前に合ってる気がしてな」
「む・・・どちらも不本意な呼び名です(まさか・・・バレてる?)」
「違いねぇ、それにしてもその細腕でよく俺達と切結んでいるよな・・・」
「それは僕も思いました、君の流派は?」
あぁもう、どうしてこう次から次へと・・・と饒舌な二人に苦笑しながらは一口お茶を啜る
「俺は・・・一応『新陰流』です・・・」
「へぇ・・・一応って?」
「父が『新陰流』の使い手で・・・俺は父に習ったので・・・」
言葉を濁していると、土方が思いついたように話し出した
「そうだ、お前のあの刀を肩に担いで俺達と対峙する姿は
かの剣豪、柳生 十兵衛のようだ。とも言われてるぜ
『新陰流』の遣い手はかなりいるが・・・お前みたいに刀を担ぐ奴はいない
まぁ・・・柳生 十兵衛が刀を担いで敵と対峙していたというのは
言伝えだからなぁ・・・本当かどうかは知らんが・・・」
「へ、へぇ・・・」
意外なところで、意外な人物から父の名を聞いての瞳が揺らめく。
どこか懐かしむような、哀しげな表情をして空を見上げる
「・・・・・・?」
「緋村・・・・・・(げっ・・・)」
「・・・お前、今『げっ』とか思っただろ」
「い、いやぁ・・・その・・・」
達の後ろから声を掛けたのは剣心
見慣れない後姿の男二人に挟まれているな、と思い正面に回ると
そこには新撰組副長と一番隊組長の姿
「貴様等・・・何をしている?」
「ん〜勧誘?」
「されてないしっ」
「いや、今からしようと思ってたんだ」
「土方さんまでっ」
さらっととんでもない事を言ってのけるのは沖田
それに乗る土方には焦り、剣心の米神が引くつく
「・・・っ、貴様等はいつもいつもにちょっかいをかけやがってっ
とくに土方っ、貴様・・女だけでは飽き足らず男にまで手を出すのかっ」
「ぶ・・・っ」
剣心の言葉に土方は噴出し、、沖田は唖然としている
堪えきれずに腹を抱えて笑い出す土方にに、さも不愉快だと言わんばかりの顔をしている剣心
「いや〜、笑わせてもらった、剣の腕は一人前でも・・・男としてはまだまだだな。
抜刀斎・・・それに総司もだ。そろそろ行くか・・・またな『夜叉姫』」
「はぁ・・・(やっぱり土方さんにはバレてるぅっ)」
「トシさん!何でもかんでも自分を基準に考えないでくださいっ」
「・・・んの野郎・・・次に合ったらぶった斬ってやるっ」
わなわなと肩を震わせている剣心には呆れた・・・とばかりに声をかける
「で、緋村はどうしたのさ」
「あぁ・・・仕事だ・・・・・・」
「・・・解った」
『仕事』という一言での纏っている空気ががらりと変わる
残りのお茶を飲み干し、茶屋を後にする
「・・・土方の言っていた『夜叉姫』ってどういう意味だ?」
「知らない・・・どうも、俺の事らしいけど。不本意な呼び名だ」
「・・・そうだな」
「・・・・・・っと、呼び笛だ・・・あの音は・・・どうやら新撰組とかち合ったみたいだね」
「急ぐぞ」
「はいはい・・・っと」
新撰組が鳴らしたであろう笛の音を頼りに、その場へ急ぐ
血の臭いが強くなるのに眉を顰める
刃の交わる金属音が聴こえてくる
「かぁ〜、よりによって一番隊と三番隊ですか・・・」
「やっかいだな・・・いくぞ、っ」
「は〜い」
纏っている空気とは裏腹に気の抜けたような返事に剣心は苦笑する
走る速度を緩めることなく二人は同時に力強く地を蹴り斬り込んでいく
たった二人に瞬く間に切り伏せられる
「・・・っ『人斬り 抜刀斎』と『修羅童子』だ・・・っ」
「おしゃべりする暇があるなら逃げな」
そう冷たく言い放つと、は容赦なく斬りつける
刃の血を払っていると後ろから数人が襲いかかるが、振り向き際に薙ぎ払われる
ちらりと剣心を見やると、自分と同様次々と新撰組隊士を倒している
「戦闘中に余所見はいけませんよ」
言葉と同時に刃を受け止める
「・・・っ沖田さん」
「昼間に会ったばかりだけど・・・今は敵同士・・・尋常に「退け、総司」
「「土方さんっ」」
沖田を押しのけたのは土方
何故、副長まで出張ってんのさとは舌打ちして一歩退がる
「総司・・・譲ってくれ、『夜叉姫』は俺のモノだ」
「俺は土方さんのモノになった覚えはありませんっ」
「いーや、俺のモノだ」
「何度も同じ事を言わせないでくださいっ」
沖田はやれやれ・・・と肩を竦めて二人の打ち合いを傍観している
もう一方では剣心と3番隊組長斎藤 一が切結んでいる
土方の幾度目かの「俺のモノ」発言を剣心は耳にして気が逸れてしまう
「貰った、抜刀斎!」
「しまっ「緋村っ!」
剣心の視界は闇に染まった
ふわりと鼻を掠める甘い香りに目を見開く
視界を遮っていたのは闇色の髪
「!!」
「く・・・ぅっ、戦いの最中に気を逸らすなんて・・・らしくな、いぞ・・・緋村」
「退け!斎藤っ」
「副長?」
土方の声に斎藤の気も逸れる
それを見計らったかのように、剣心はを引き寄せると
そのまま抱きかかえて闇に姿を消した


剣心が少し子供っぽいですね・・・(汗
でも歳を考えるとこんなかんじでもいいかな・・・と
土方さんが何故ヒロインさんが女だと気付いたか・・・
それは・・・色街でモテていたからですっ(自分でも自慢していたようです)
つまり、女性に関しては百戦錬磨であったと・・・
剣心:ほぅ・・・
りお:またでたっ
剣心:前回の話では俺は今回が女だと気づくはずだったよなぁ・・・
りお:あー・・・長くなりそうだったので次回に・・・
剣心:俺の前に土方が気づいてるよ・・・なぁ?
りお:その理由は上に書いてありますっ
剣心:男としてはまだまだとか言わせたよな?
りお:自分の歳を考えてくださいっ
剣心:余程死にたいんだな・・・
りお:死にたくありませんっ(脱兎
ここまで読んでくださってありがとうございます!