05 death -死神- =後編=





「じゃぁ・・・が自分で傷を治せたのは、その死神の力・・・なんだね」

「そう、私はあんまり得意じゃないんだけどね・・・」

「ほう・・・それは、他人の怪我でも治せるのかの?」

「あ、はい・・・生きていた時の傷や、生まれつきの病気等は無理ですが・・・」

「生きている人間はどうかの?」

「治せます・・・」



はっきりと言いきるに二人は不思議そうな目をむける



「何故そう言いきれる?」

「えと・・・魂を迎えに行くのが仕事だと言いましたよね・・・?
 もう一つ・・・仕事があるんです・・・」

「ほう・・・」

「『虚』と言って・・・どう言ったらいいのかな・・・物や場所・・・人に強く執着を持ちすぎて
 悪霊となってしまった魂のことなんですけど、その『虚』を狩るのも仕事なんです」



ミスランディアは最初難しい顔をして話を聞いていたが、今は興味津々といった顔で聞いている
レゴラスも同じように聞いている



「悪霊を狩る・・・か」

「はい、『虚』は魂を食べてしまいます・・・その・・・亡くなってしまった魂だけでなく
 生きている人間の魂も・・・『虚』に喰われた魂は転生することができません
 それがどういう事になるか・・・解かりますか?」

「転生のできる魂がなくなってしまう・・・」

「世界が崩壊してしまう・・・ということかい?」

「そう、崩壊してしまう・・・それを防ぐのも死神の役目・・・」

「世界の調整・監視者・・・というところかの?」

「そうなりますね・・・で、その『虚』に襲われて怪我をしている人間の傷を
 何度か治したことがあります」

「なるほどのぅ」

「でも、達死神は死ぬことはないの?」

「死ぬことはあるの、この前レゴラスにエルフについて教えてもらったでしょ?
 エルフと同じような感じかなぁ・・・ただ、深い悲しみや絶望で死んでしまうことはないけど
 『虚』と戦って深い傷を負ってしまったり、死神も魂であることに変わりはないから
 喰われてしまったり・・・寿命で・・・っていうのは聞いたことがないなぁ・・・あんまり歳とらないし」

「歳をとらない?」

「うん、ほとんど・・・それもエルフに似てるかもね、私なんて22・3で死んで
 死神になって200年くらい経ってるかな?レゴラスの十分の一くらいか」

「あはは、そうだね」



はきりの良い所で話をきって部屋に用意されているティーセットで紅茶を三人分入れ
テーブルに置く 二人は礼を言い口を付ける、も話すぎて咽が渇いていた



・・・確かお主は異世界から来たと言ったな?
 その時のことを覚えておるか?それに魂なのならばなぜ儂等にお主の姿が見え触ることができる?」

「そうですねぇ、まずこの世界に来ることになったきっかけ・・・っていうのかなそれは・・・
 『虚』と戦っていて攻撃を受けた時だと思う・・・あ、相打ちだと思ってるんだけどね
 となると、むこうの世界では二度死んだことになってるのかなぁ・・・」


のあの怪我はその時の怪我だったんだね」

「そうそう、『虚』の腕が突き刺さったの。あの時は吃驚しちゃった」


などと、とんでもない事を言い出すにレゴラスもミスランディアも唖然としている
部下を護るのも隊長の役目よね、と言葉を繋げたので二人は更に驚いた



「隊長って・・・がかい?」

「そうよ?一応これでも死神の世界で十三隊あるなかの一つの隊の隊長やってたの
 あと、見える・触れるの理由は・・・『義骸』と融合したらしいの」

「“ギガイ”とは?」

「あぁ、死神が人間の世界に降りる時に使う人形のような物のことで
 自分そっくりにつくってあるの、それと融合したらしいって言ってた」

「・・・誰が?」

「〈胡蝶〉よ」

「“コチョウ”?」



レゴラスが問うとは頷きながら立ち上がると枕元に置いてある愛刀を手に取って戻る



「まさか、その不思議な剣が・・・」

「そう〈胡蝶〉という名前の死神の証・・・『斬魄刀』・・・私の唯一無二の戦友・・・」

「ほう・・・不思議な雰囲気の剣じゃの、死神の証・・とは?」



は斬魄刀の説明を簡単にすると〈胡蝶〉の説明をした


「だから僕も父上も触れなかったんだね?」

「うん、〈胡蝶〉は自分の選んだ人にしか触らせることはしないの」



済まなさそうに微笑むに、レゴラスは納得がいったと頷いた
ミスランディアは暫くの間、腕を組んで考え込んでいた



「ふ〜む、が異世界から来て何者であるか・・・等は解かった
 しかし、なぜこの世界に来たのか・・・その理由がみつからん・・ただの偶然か・・・」

「この世界に偶然や不思議なことなんて何もない、全て起こるべくして起きると・・・
 偶然や不思議という言葉は後から付けられるのだと・・・私は教えられました・・・
 ・・・だから・・きっと、この世界で私のやるべき事があるのだと思っています
 それが何かは・・解かりませんが・・・」



は真剣な眼差しでミスランディアを見据えて話した
ミスランディアは嬉しそうに微笑んでの頭を撫でながら「そうだの・・・」と呟いた
その光景をレゴラスは微笑みながら見つめていた


それからはすっかりミスランディアに気を許して、あの悪夢の話をした


「これもまた難題じゃのぅ・・・」

「ミスランディア、もしかして・・・」

「まだはっきりとは解からぬ」


レゴラスの言葉を遮るように言い、目配せをして窘める
それに首を傾げるは、この先はまだ自分が聞いていい事ではないのだと判断した

ミスランディアはの額に手を翳しぶつぶつと呪文を唱えると
にこりと笑い再びの頭を撫でた


「これで暫くは悪い夢をみることはないじゃろう、気休めかもしれんがの」

「ありがとう・・・ミスランディア・・・」

「さて、このことをスランドゥイル殿に話しておいてもよいかの?」

「・・・私から話すべきでは・・・?」

「よいよい、儂から話しておくとするよ・・・他にも色々とあるからの」

「そうですか・・・では、お願いします」


ぺこりと頭を下げるに笑みを送り、レゴラスとも二言三言はなして部屋を出て行った



・・・」

「なーに?」

だから・・・その・・・(あー何言ってんだろ僕・・・)」

「心配してくれてありがと、レゴラス」

「うん・・・」



はレゴラスの優しさに感謝した



その後、とレゴラスは死神とエルフについて暫く話していた