今回より 共通語→「 」 エルフ語→『 』 日本語→[ ] となります
面倒臭くて申し訳ありません(汗









寝室に案内されてやっと一息つくことができた
テラスから見渡す景色は見事なもので
はそこに用意されていたベンチに座りその景色を一望した





08 treatment -治療-





『綺麗・・・でも・・やっぱり何処か憂いを感じる・・・』

『そう感じるかの?』

『ミスランディア?!』

『久しぶりじゃの、・・・あれから夢は見るか?』



声をかけたんじゃが返事がなくての・・・と言いながらの向かいに腰掛け
同じように景色を見渡した後、に向かってニコリと笑った


『いえ・・・あの夢を見ることはありませんでした・・・けど・・・・・・』

『けど?』

『別の夢を見ました・・・』

『その夢は覚えておるか?』

『はい・・・』



は瞳を閉じひとつ深呼吸してから闇の森を出てから見た夢の話をはじめた



『私は二つの夢を見ました、一つ目は太陽が闇に覆われていく夢です
そして逃げ惑う人間達・・・何に怯えているのかを見ようとしたところで目が覚めました。
二つ目は、闇の中に私は一人佇んでいました・・・そして・・・いつのまにか私の両手の中に
光る物が握られていました・・・それは暖かくて、とても優しい光で・・・
しばらくそれを見ていたら、私の手に吸い込まれるように消えてしまって目が覚めたんです』



一言一言ゆっくりと語る、なぜか鮮明に覚えているこの二つの夢
その夢は何を意味しているのか、には解からなかった。
ただ一つ解かることは、自分がこの世界に来たことと関係があるであろうこと・・・

ミスランディアはの話を聞き考え込んでしまった
自分の夢が何か問題があるのか・・・ミスランディアの表情を見ると
あまり良い事ではないことが窺える
が不安になった時、もう一つの悪寒が走った


『何かが近くにいる・・・オーク?・・・・・・違う・・・もっと邪悪な・・・9つの気配がする・・・』

『何じゃと?!』

『あ・・・何か別の力がそれをのみ込んで・・・消えた・・・
 でも、もっと別の大きな力が近付いてくる・・・・・・とても弱っている魂と一緒に・・・』

!』



言い終わると同時にの意識が途切れた、倒れ込むを抱きとめるミスランディアの表情は
険しく、これからをどうすべきか・・この後に待ち構えている事柄に巻き込んで良いものか
それともこの世界に来た時点で巻き込まれているのか・・・考えても答えは出なかった

をベッドに寝かすとレゴラスを訪ね、簡単に先程の事を話すと
後を任せエルロンドの所へ向かった

















のことについてエルロンドと話をしていると、急に館が騒がしくなった
エルロンドの一人娘アルウェンがモルグルの刃で傷つけられ瀕死状態のフロドを連れてきた



の言っていた弱っている魂とはフロドのことじゃったのか・・・」

「そして大きな力とは・・・これの事であろう・・・」

「9つの気配とは言うまでもなかろう?」

「確かに・・・我らでも感じることのできない気配を察知するとは・・・」





想像以上に傷は深く、残っている刃の破片は更に喰いこんでいく
エルロンドが的確に処置をしている時、は目覚めた


『あれ・・・私・・・・・・』

『目が覚めたかい?』

『ん・・・・・・レゴラス?』

『少し疲れが溜まっていたかな・・・?大丈夫?』

『うん・・・・・・大丈夫・・・どうかしたの?』



館全体の雰囲気がざわめいている事に気付き訝しげな顔をする
レゴラスは苦笑しながら状況を説明した
フロドの状態、モルグルの刃の事、9つの気配の事
が目覚めたらフロドの元へ来てほしいとエルロンドの使いが来たこと
それを説明し終えるとはすぐにフロドの元へ行く事にした



『おぉ、目覚めたか』

『はい・・・・・この子がフロドですね?』


は部屋に迎え入れられ、ベッドの上に苦痛に魘されている少年を見つけた
正確には少年ではないがには少年に見えた
その肩には包帯が巻かれているが、白い包帯に血が滲んでいて
傷が塞がっていないことが解かる


『そうじゃ、刃の破片は取り除いた・・・よこの傷を癒すことはできるかの?』

『・・・・・・傷を塞ぐことはできます・・・が・・・この傷には残留思念と言いましょうか・・・』

『解かるか?』

『・・・はい・・・ただの傷なら痕も全て消す事ができますが・・・・・・』

『そうか・・・それでも、表面上の苦痛だけでも取り除いてやってくれぬか?』

『わかりました』



そう言い、はフロドの肩に巻かれている包帯を解き掌をかざす
青白い光が放たれみるみる傷は塞がっていくが、やはり傷跡が消える事はなかった
周りにいるエルフ達やミスランディアは目を瞠った


『・・・終わりました・・・やっぱり完全に治す事はできません・・・この傷は・・・』

『うむ・・・それは如何にもできぬ事、お主が気に病む事はない』



でも・・・と言葉を繋げようとした時、アルウェンが扉を叩いた
アルウェンはグロールフィンデルからの事を聞いて一目会いたいと思い
の寝室へ向かう途中、話し声が聞こえ聞き覚えのない声がしたのでその部屋に行ってみると
そこには先程連れ帰ったフロドと、闇の森のレゴラスそして見知らぬ娘
アルウェンは微笑みながら部屋にいるエルフ達を見渡した


「処置が終わったのなら部屋を移しませんか?」

「あ、あぁ・・・そうだなアルウェン・・・」


なぜか冷や汗を流しながらエルロンドは皆を促しフロドの部屋を後にした
ミスランディアはそのまま残る事にし、はあの綺麗なお姉さんは誰だろう?などと
呑気に考えレゴラスは厄介な要注意人物がきたと心の中で舌打ちをして
急遽アルウェンが用意させた部屋に案内された



「お久しぶり、レゴラス」

「お久しぶりですね、アルウェン・・・」

「そちらの可愛らしい方はお父様の言っていたですね?」

「あ、はい・・・はじめまして  です」

「はじめまして、。私はアルウェン、エルロンドの娘です」



ぺこりとが頭を下げると、アルウェンは微笑みながら手を差し出した
おずおずと差し出された手を握りながらアルウェンを見上げると
その美しい顔に一筋の赤いものが目に入った


「・・・・・・(うっわー綺麗な人・・・折角の美人さんなのに顔に傷つけてるなんて勿体無い・・・)」

「・・・どうかしたかしら?(なにこの可愛い娘、この可愛い反応っ)」


握られてた手を離すと、はそのまま手をアルウェンの頬にかざしその傷を治した
傷が跡形もなく消えるのを確認すると『よかった』とがにこりと笑った
アルウェンは驚きながらも自分の頬に感じた暖かい感触に笑みを深め、を抱き締めた


「ありがとう」

「いいえ・・綺麗なお顔に痕が残らなくて良かったです」

「アルウェン、は長旅で少し疲れているんだ・・・
 そろそろ休ませてあげたいんだけど(っていうか、早く離せ)」

「あら・・・そうね、ごめんなさいね?(やっぱり邪魔するのね、レゴラス)」

「い、いえ・・・(な、なんか気温が2・3度下がったような気が・・・)」

、また明日お話しましょう?(まだまだ時間はあるんだから)」

「へ?あ・・はい」

「・・・・・・(ちっ厄介な・・・)」





この後は寝室に戻り久しぶりのベッドでぐっすりと眠りについた

次の日に待っているのはレゴラス対アルウェンの微笑みの下での黒い戦い・・・・・・