見渡す限りの雪原・・・そこは白銀の世界
目前には空高く聳える雪山、頂上は雲に覆われて見る事もできない
14 Caradhras -赤角山-
「見渡す限りの雪・・・」
「雪だねぇ・・・」
「雪だな・・・」
、レゴラス、ボロミアと順に目の前の光景を口にすると
前方から妙な叫び声が聞こえてくる
「のわっ」
「ちょ・・・ピピ・・おわっ」
「何やってんの二人と・・・うわぁっ」
ピピン、メリー、フロドの順で転がり落ちてくる
メリーとピピンはにぶつかり、フロドはその後ろを歩いてきた
アラゴルンに塞き止められた。3人三様に雪塗れになっている
小さいとはいえメリーとピピンにぶつかられたも派手に転んで雪塗れ
を助け起こすレゴラスの背後が黒くなっているのは気のせいではないだろう
「「ご、ごめんなさいっっっ(それにレゴラスっ)」」
「あはは〜派手に転がってきたねぇ、大丈夫?」
「「うん、僕達はね。こそ大丈夫?」」
「大丈夫、大丈夫。ありがと、レゴラス」
「まったく・・・ちゃんと足元を見て歩かないとねぇ
それに、周囲にも気を付けておかないと何が起こるか判らないよ2人とも・・・ふふっ・・・」
「「ひぃ・・・っ(貴方の行動に気を付けます)」」
レゴラスの黒オーラにあてられる2人をよそに
は1人っ足りないことに気付く
「・・・フロドは?」
「ここだよ・・・大丈夫か?フロド」
「う、うん・・・あれ?・・・指輪が・・・」
フロドが胸元を弄るがそこに金色の指輪が見当たらない
その指輪はボロミアの足元のすぐ側にあった
それを拾い上げ、手にすると指輪がボロミアに語りかける
「不思議だな・・・こんな小さな物が我々に恐怖と疑いを齎す・・・」
「ボロミア・・・っ、聞いちゃ駄目っ」
「「ボロミア!」」
とミスランディア、アラゴルンの声に我に返るボロミア
フロドはアラゴルンの隣で不安そうにボロミアを見つめている
「フロドに返せ」
「返すよ・・・そんな指輪・・・」
動揺を隠すように笑い、フロドの頭を少し乱暴に撫でると
ボロミアは踵を返した。その行動に剣に手を置いていたアラゴルンは安堵し
ミスランディアもまた安堵の溜息を漏らした
その後、一行は何事もなく赤角山へ登り始めた
山の中腹辺りに来た頃、登り始めに吹き始めた吹雪は更に酷くなり
風に混じり何かの呪文のような声が聞こえてくる
それに眉を顰めるレゴラス
「気味の悪い声だ・・・」
「サルマンだ・・・!」
「山を壊す気だっ、ガンダルフ、戻ろう!」
「いかん!」
アラゴルンの意見を一掃し、ミスランディアは杖を手に
反対呪文を唱えるが、効果はなく、一筋の稲妻が頭上を走る
「山肌によるんだ!」
「きゃぁっ」
「!」
稲妻は雪崩を起こし、一行は雪に埋まる
一番最初に雪の中から姿を表したのはレゴラス
しっかりと腕の中にを収めている
「大丈夫?・・・君の黒髪は雪にも映えるけど・・・
君に触れているこの雪にまで僕は嫉妬してしまいそうだよ
君に触れていいのは僕だけだ・・・・・・痛っ」
「レゴラス・・・」
「この色惚けエルフっ、そんな事を言っている暇があるなら手伝え!」
雪に埋もれたホビット達を掘り出しているアラゴルンから
堅く固められた雪球が投げつけられ、レゴラスは残念そうにを離す
するとのすぐ側で雪がモゴモゴと動き出す
「ぷっはーっ」
「ギムリ!?」
「なんじゃい、素っ頓狂な声を出して・・・」
「ご、ごめんなさい、大丈夫?」
「こんなことでドワーフはやられたりせんわい」
ギムリが雪の中から這い出ようとするのには手伝おうと手を差し出すが
それを断り、なんとかギムリは雪の中から這い出る。
その頃には全員がなんとか雪の中から救出されていた
「山を下りよう・・・っ、ローハン谷から西街道を通りゴンドールへ出よう」
「その道はアイゼンガルドに近すぎるっ」
ボロミアの意見をアラゴルンが遮る
ミスランディアは少し考えてフロドを見据えた
「指輪所持者に決めさせよう・・・」
「早くここを立ち去ろう、ホビット達が死んでしまうっ」
ボロミアの両脇には凍えて声も出ないメリーとピピンがいる
ミスランディアの言葉にフロドは暫く考え込み決断した
「モリアへ・・・坑道を抜けよう」
「・・・決まりだ・・・」
山を下りようとする一行に大きな雪の壁が立ち塞がる
背の高いアラゴルンやボロミアの肩くらいの高さまで積もってしまっている
それを偉丈夫2人はせっせと切り崩していく
がふとレゴラスをみると、彼はいつもの軽装に、軽々と雪の上を歩いている
「レゴラスって・・・っていうか、エルフってやっぱりずるい・・・」
「どうしたの?」
「だって・・・雪の上を軽く歩いて寒さもあまり気にならないなんて・・・ズルイ・・・」
「そう言われても・・・寒いなら暖めてあげるし、何なら抱き上げて山を下りようか?」
「そういう意味じゃなくてっ」
なーに?と首を傾げている麗しい姿に溜息をつきながら周りをみると
ホビット達は先程よりがちがちと震えてフロドにいたっては眠りかかっている
「このままじゃ・・・いけないよねぇ・・・」
「さっきミスランディアがミルヴォールを回してくれたけど・・・足りなかったみたいだ」
「手っ取り早く火を使いますか・・・」
「?」
「、何をする気じゃ?」
[破道の三十一赤火炮っ]
詠唱と共にの手から炎が現れる
霊圧をコントロールして焚き火程度の大きさになっている
「なんと・・・は火を扱えるのか?」
「火を・・・っていう訳ではありませんけど・・・一応攻撃系の技ですし・・・」
「うわぁっ、あったかいねぇ。ほら、ピピンもフロドもしっかりしろよ」
「それじゃぁ、僕は太陽でも探しに行ってきますよ。
耕夫には畠を耕させよ。だが、泳ぐには川うそを、草葉の上や雪の上を
軽々と駆けるには、エルフを選ぶべし。ですよ、では御機嫌よう!」
そう言うとレゴラスは駆け出し、アラゴルンやボロミアの頭上を抜けていった
「よ、先程攻撃系の技と言っておったな?」
「はい、元来コレはこうして点すものではなくて・・・
そうですね、レゴラスが戻ったらやってみせますよ
いくら偉丈夫が2人でも、あの雪の壁は大変でしょうから・・・」
「ふむ・・・」
ミスランディアとが話している時に
レゴラスは太陽を探して山の麓近くまできていた
一気に下りる事はできなくても、休める場所があるといいとも考えていた
その考えに丁度いい場所があったのでレゴラスはにっこりと笑うと
身体を翻し、元来た道を走り出す
「ただいま〜、残念ながら太陽は見つけられなかったけど
この先に少し窪んだ場所があって、身体を休めるには丁度いいと思うよ」
「そうか・・・では、そこで休憩をとるとしようかの」
「はーい、それでは・・・アラゴルンとボロミアー!
危ないからそこ退いててもらえますかー!!」
「「は?」」
「いいから、いいから」とメリーとピピンに背中というか腰の辺りを押され
訳が判らず達の元にやってくる
「この性悪エルフっ、行きも帰りもケラケラと笑っていきやがって・・・」
「まったくだ・・・」
「でも、僕はちゃんと休める場所を見つけてきたんですよ?」
「それとこれとは話が別だっ」
顰め面でレゴラスに文句を言っているのはアラゴルン
それを聞いていて、何故今までこれをやらなかったのかと怒られそうだとは思った
は雪の壁を前にして両手を翳した
[君臨者よ 血肉の仮面・万象・羽博き・ヒトの名を冠す者よ
焦熱と争乱 海隔て 酒巻き 南へと歩を進めよ 破道の三十一 赤火炮!]
ド・・・ーン!!
翳された両手から炎の塊が撃ちだされ
雪の壁は跡形もなく消え去った
「「・・・・・・・・・(俺達のやっていたことって・・・)」」
「ほ・・・う・・・確かに・・・攻撃系・・・じゃの・・・」
「「「「って・・・」」」」
「凄いよっ、こんな事もできるんだねっ」
驚いているのは人間2人に老魔法使いとホビット達
喜んでいるのはアラゴルン曰く、色惚け・性悪エルフ
はアラゴルンとボロミアに最初から使えばよかったですね・・・と謝っていた
死神豆知識
破道の三十一赤火炮:焔系の霊撃を両手より撃つことが出来る鬼道の一つ